ロシアからの撤退を決めた米ファストフード大手マクドナルドの製品が、現地で法外な値段で転売されていることが分かった。

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マクドナルドはロシアのウクライナ侵攻を受け8日、ロシア国内の全850店舗の営業を一時中断することを発表していた。その直後から各店舗にロシア国民が押し寄せ大行列ができ、食べられなくなる前にと買い占めが起きていたという。

米ニュースサイト、ビジネスインサイダーによると、ロシアの個人間売買サイトには「過ぎ去った時代の最後の味を楽しみたい人たちに」などとメッセージが添えられ、ビッグマックやマックマフィンなど人気メニューが並び、中にはビッグマック1個36ドル(4140円)、朝食セット18ドル(2070円)など高額な値段をつけて販売している人もいたという。

また、ハンバーガーのみならずマクドナルドの紙袋が373ドル(4万2895円)で売られているのも確認されたほか、ドリンクカップやフライドポテトホルダーなども販売リストに掲載されていると報じた。

マクドナルドがロシアに進出したのはソビエト連邦時代の1990年で、モスクワに1号店がオープンした際には3万人を超える人々が大行列を作ったといわれている。それから32年後、閉店前のモスクワの店舗では店の外まで続く長蛇の列ができ、大混雑する様子はSNSにも投稿されていた。

アメリカ資本主義の象徴でもあったマクドナルドのハンバーガーが味わえなくなることはロシア国民を恐怖に陥れたようで、冷蔵庫が満杯になるまで詰め込んだハンバーガーの写真をSNSに投稿する人も出ていた。(ロサンゼルス=千歳香奈子)