発明家のドクター・中松氏(本名・中松義郎=94)が22日、都内で会見を開き、猛暑と節電の両方を実現する新発明「猛暑×節電×二刀流」を発表した。

「猛暑×節電×二刀流」は、手のひらに収まるくらいの小さな冷却器だ。四角いボックス型の本体についたモーターで、小さな羽を回すことで冷たい風を起こして、肌と接する面を冷やす。ワイヤで額や首筋、耳など、つけたいところにつけることができる。温度は長時間、つけていても心地よい、摂氏15度前後に設定されている。

手のひらサイズにしたのには、理由がある。手のひらにある体温調整を担う血管「動静脈吻合(ふんごう)」を、ピンポイントで冷やすためだ。中松氏は「ここを冷やすと、全身が有効に冷える。人体の中で、ここしかない…そこを集中的に冷やすのがポイント」と強調した。

電源は、市販のバッテリーやパソコンにUSBでつなぐことで確保でき、使用電力も5ワットと少ない。中松氏は「猛暑だと、エアコンも付けるし電気も使う。だから、猛暑と節電とは相反する。それでいて、大きな室内の空気を冷やしても、体は一部しか冷えない。『猛暑×節電×二刀流』は、使用するエネルギーも少ないし、効果的に冷える」と胸を張った。

昨今、若い女性を中心に、ハンディ扇風機を手に街を歩く人が少なくないが、中松氏は「扇風機で暑い空気を吹き付けても仕方がない」と一刀両断。その上で「モーターで羽を回転させ、冷たい空気を出すが、羽を小さくしたことで力が1点に集中され、風が強くなる。コンパクトだから、電力も使わない」と声を大にした。そして「僕が教えている米ハーバード大の最新の研究に基づき、米軍も採用している、人体を最も効率的に冷却する、全く新しい理論の活用です」と力を込めた。

電力の逼迫(ひっぱく)が叫ばれ、岸田文雄首相が14日の会見で「この冬で言えば、最大9基の稼働を進め、日本全体の電力消費量の約1割に相当する分を確保する」と発言したことも議論を呼んでいる。そのことに対し、中松氏は「使用済み核燃料の処理など、問題が未解決のまま再稼働するのが問題。原発に関しては今後、解決法を提案していきたい」と力説。電力不足が叫ばれる中での、画期的な新発明を握り締めた。