欧米などを中心に報告が相次いでいるサル痘の感染者が国内で初めて確認された中、米カリフォルニア州北部ベイエリアに住む男性がサル痘と新型コロナウイルスにダブル感染したことが明らかになった。

米NBCテレビのインタビューに応じた男性が明かしたもので、6月下旬に新型コロナの検査で陽性反応を示して体の衰弱を感じた後、背中や脚、腕、首全体に小さな赤い斑点が出ていることに気づいたという。男性は、診察した医師に「同時感染」を確信していると告げられたと話している。

新型コロナとサル痘の両方に同時に感染したという男性は、発症後は発熱や呼吸困難、悪寒、体の痛み、皮膚の斑点などの症状に苦しんだといい、「ほとんどベッドから起き上がることができず、水を飲むこともほとんどできなかったのが最悪だった」と重症とも言える症状についても明かしている。

現在、世界各地で最も感染力が強いとされる新型コロナのオミクロン株の系統の1つBA5が猛威を振るう中、サル痘もWHOが23日に緊急事態宣言を出すなど感染が急拡大している。

スタンフォード大学の感染症専門医によると、この2つは全く異なるウイルスであり、同時感染するのは信じられないほど不運なことだというが、ダブル感染する可能性はあり得ないことではないという。

サル痘はコロナウイルスと同様に人から人へと感染するが、せきやくしゃみなどによる飛沫(ひまつ)で感染するコロナとは異なり、主に皮膚と皮膚の接触で感染するとされている。米国ではこれまで3000人近い感染例が報告されている。(ロサンゼルス=千歳香奈子通信員)