20日夜、東京都渋谷区の路上で母親(53)と娘(19)が刺され、15歳の少女が殺人未遂容疑で現行犯逮捕された事件で、事件現場で被害に遭った母娘を介抱した目撃者の個人事業主の男性(32)が21日、当時の様子を語った。

男性は事件現場の路上横のマンション2階に住んでいて「外が騒がしく、最初は酔っぱらいが叫んでいると思ったが、悲鳴が2回聞こえておかしいと思った」と振り返った。20日午後7時20分ごろ、男性がベランダに出ると、娘が倒れていて、母親が「110番して」などと叫びながら、ナイフを持つ少女(15)にかばんを振り回して必死に応戦していたという。

母親が少女のナイフを手で握ったところで、すぐ前の飲食店の従業員が飛び出してきて母親から少女を引き離し、少女からナイフを取り上げた。通行人数人が少女を取り押さえ、少女は暴れもせず表情のないままただ空を無言で見つめていたという。

刺された娘は背後から刺され、腰付近から血を流していたので、男性は自宅に戻ってバスタオルを持ってきて患部に当てた。「痛い」「のどが渇いた」などと訴えていたが、視線が定まらなかったため、男性がずっと手を握って「大丈夫だよ」「もうすぐ救急車が来るから」などとずっと話し掛けていたという。

事件発生から10分ぐらいで警察官が駆け付け、その10分後ぐらいに救急車が到着して母娘を乗せていったという。

男性によると容疑者の少女は「靴はいていたけど、母親ともみあったときにぬげた」という。少女の服装はスパッツにショートパンツを合わせていて「ヨガでもやりそうな服装で、どこにでもいる普通の女の子にみえた。こんな事件になってビックリした」と語った。