昨年7月の初当選から1度も国会に登院せず、「議場での陳謝」の懲罰処分が下されたNHK党のガーシー(東谷義和氏)参院議員(比例代表)が5日、自身のインスタグラムで同日に滞在中のアラブ首長国連邦(UAE)のドバイからトルコ地震の被災地支援のため、トルコ・イスタンブール入りしたと明かした。

ガーシー氏は日本に帰国して8日の参院本会議に初登院して「議場での陳謝」を行うことを2月27日に表明している。5日のドバイでの動画では「髪の毛も謝罪に行くつもりで(金髪から)ちゃんと黒くしました」と語ったが、帰国まで日程が迫っている状況だ。8日の飛行機のチケットも「押さえている」としながら、NHK党の立花孝志党首、公設秘書と「万が一、帰らないという選択肢、もしくは帰れなかった時とかの、ことも含めて、ちゃんと話した」などと帰国しない可能性も示唆した。

ガーシー氏はトルコ到着後にもインスタグラムで動画を配信し、これから買い出しをして被災地へ向かうなどと話した。

ガーシー氏は参院本会議場で登壇し、参院が承認した陳謝文を読み上げて謝罪することを参院から求められている。だが、帰国できない場合にはさらなる懲罰処分が回避できない。再度、懲罰委員会に付託され、最も重い処分で議員の身分を失う「除名」が検討される見通しとなっている。

ガーシー氏はインターネットの動画投稿サイトで著名人を中傷したなどして名誉毀損(きそん)など疑いで警視庁から任意の事情聴取を求められ、帰国した場合に旅券(パスポート)の返納命令が下されるなどの懸念や不安材料をインスタグラムで語っている。

ガーシー氏は初当選から今年2月までに月額歳費、調査研究広報滞在費(旧文書通信交通滞在費)、昨年12月にはボーナスに相当する期末手当を合わせて1833万7590円が支給されているが、返還や寄付の意向を示した。「歳費は返すつもり。税金泥棒と言われる筋合いはない。全部、国民のために有益に使ってもらう。トルコの被災地には半分以上、1500万円ぐらいは寄付してください」としたが、帰国の可否判断を巡る状況は、さらに不透明感を増している。