東京・築地の旧市場跡地に地元の築地波除神社の千貫宮神輿(みこし)が11日、市場の豊洲移転以来5年ぶりに足を踏み入れた。

築地波除神社の夏恒例「つきじ獅子祭」の神輿が町内を練り歩くコースで巡行したもの。神輿を人が担いで町内を練り歩くのは4年ぶりとなった。

つきじ獅子祭では新型コロナウイルスのまん延防止などで、この3年担ぎ手の密着を避けて、人が神輿を担ぐことを断念していた。11日は午前9時に築地波除神社から宮出しし、築地1~7丁目全域を6時間30分かけて練り歩く計画を立てた。その巡行の一番最初に現在造成工事中の旧市場の入り口まで足を踏み入れた。

「よいさ、よいさ、よいさ」と威勢のいいかけ声とともに海幸橋を越えて、1927年に作られた千貫宮神輿が旧市場跡地に入った。ぱらついていた雨も旧市場に神輿が入った直後にピタリとやんだ。

旧市場への神輿巡行を発案した仲卸「京富」門井直也社長は「旧市場は築地5丁目。今は何もないけど築地の仲間であることは違いない。跡地に何ができるかは分からないけど、神輿復活の日にあいさつしないと失礼でしょ。神さまも雨をやますとは粋ですね」と話した。

人が担いでリレーのバトンのように神輿を引き継ぎ町内を巡り、11日午後3時30分には再び波除神社に戻ってくる。担ぎ手は2000人を超える。晴海通りから波除神社までの車道は通行止めとなって道路の両脇には約60店の屋台も4年ぶりに軒を連ねた。インバウンドで海外からの旅行客で連日にぎわう築地にまつりが戻ってきた。【寺沢卓】