昨年11月に肝内胆管がんのため73歳で亡くなった直木賞作家、伊集院静さんのお別れの会が18日、東京会館で開催された。親交のあった「新宿鮫」シリーズで知られるハードボイルド作家の大沢在昌氏も、伊集院さんとの思い出を語った。

お互いに最初にいただいた文学賞が1991年の吉川英治文学賞だった。ですからそれ以来に付き合いなので、32年ですね。

あるときからゴルフをご一緒するようになって、おそらく200回以上一緒にまわって、海外でもやりましたし、酒場でもお付き合いは多々あった。

伊集院さんは作家であるということにこだわられたスタイル、生き方をされてましたね。私は自然に生きているもんですから、まったくその生き方の違いが伊集院さんからみて面白かったんじゃないですか。

年は伊集院さんの方が6つ上なんですが、かわいがっていただきました。

(伊集院さんの作家としてのすごさについて)書くジャンルが違いまして、伊集院さんは現代小説、私はミステリーなんで、作品がかぶることはなかったですけど、互いに作家って知り合うと本を送り合うんです。けど、「献本はよそう」とおっしゃってね、私も本を送るのをやめて、伊集院さんも送るのをやめた。(伊集院さんが)ときどき私の書いた物を読んで「あれ、面白かったなぁ」とか突然感想言われて驚いたことがあって、「そんな日もあるの」とか言い返したりして。

いつも何か、私はジャンル作家なので、材料を探すということはあんまりしないんですけど、伊集院さんは何かテーマを見つけなきゃいけない。現代に対して自分の小説で問いかけをしなきゃいけない。というものを常にお考えになっていた…、そんな気がしますね。

(最後の言葉は)また、ゴルフをやりましょう、と。ずっとゴルフの仲間でしたから、あちらの方にいかれてもいいコースを見つけられてプレーされてるでしょうから、私が行くときまでの間にコースを見つけて、私のために予約してくださいね、と。

もちろん、早すぎます。伊集院さんがあるとき言ってました「人は死ぬんだ」。2人が親しい方が亡くなったときに「亡くなったね」って言ったら、「人は死ぬんだよ」っておっしゃって。伊集院さんはいろんな別れをされてきた方なんで、おそらくそういう思いが心にあって、人は若かろうが、老いていようが、いつか去っていくものだ、という覚悟を決めてきておられるんだろうと思っています。