自民党が27年ぶりに推薦候補を擁立し、現区政の継続か刷新かが大きな争点となった東京都杉並区長選は28日に投票、29日に開票され、現職の岸本聡子氏(51)が再選を確実にした。

開票率73・19%(午前11時)の段階で、岸本氏が7万5000票と他の3候補に大差をつけてリードしていたことを受けて、陣営は、事務所で待機していた岸本氏の「勝利宣言」を行った。

一方、自民党は、1995年以来の推薦候補の勝利を目指していたが届かなかった。自民が同区長選で推薦候補を擁立したのは1999年以来、27年ぶり。今回、区議会議長も務めた無所属新人で元区議の大和田伸氏(45)を推薦。告示前には、片山さつき財務相や岸田文雄元首相ら大物も応援に入るなど、「区政の刷新」に向けて強力なサポート体制を敷いた。大和田氏は「杉並をアップデート」を掲げ、「今の杉並区政は区民のみなさまに寄り添えていない。区長が変われば区政が変わる。区政が変わればみなさんの暮らしが変わる。みなさんの暮らしが変われば、区への思いが変わる。今の区政でも前の区政でもない、新しい区政を、みなさんいっしょにつくっていきたい」と訴えたが、届かなかった。

自民が歴史的圧勝をおさめた今年2月の衆院選東京8区(杉並区の一部)では、自民の門寛子氏が中道改革連合の吉田晴美氏をやぶり初当選したが、区長選は国政選挙とは異なる結果に。自民党は、東京で自治体選挙を落とすケースが続いており、今年3月の清瀬市長選、4月の練馬区長選でも推薦候補が敗れた。今回は、「練馬ショック」と呼ばれた練馬区長選に続いて注目の区長選を落とす形となり、今後に向けた体制の立て直しが迫られる。一方、28日に投開票された東京都狛江市長選は、公明とともに推薦した無所属で現職の松原俊雄氏(74)が、3選を果たした。

再選確実の岸本氏は前回2022年区長選で、当時現職だった田中良氏(65)をわずか187票差で破り初当選したが、今回は圧勝する見通しだ。「勝利宣言」では、スタッフや支援者らと「みんなのことは、みんなで決める」などとコール。選挙戦で訴えた「対話の区政」の継続を訴え、「新しい政治の景色をもっとつくっていきたい。今、また新しい責任が始まった。次の4年はもっと創造的な前向きな政策を広げたい」と訴えた。

田中氏と、無所属新人で国際ビジネスコンサルタントの増田義彦氏(68)も及ばなかった。投票率は42・54%で、前回(37・52%)を5ポイントあまり上回った。