石破茂前首相は3日、自民党本部で報道陣の取材に応じ、高市早苗首相が先月30日に方針を示した、飲食料品を来年4月から2年間に限り、現在の8%から1%に消費税を引き下げることについて「支持率が下がっても、必要なことはやるのが自民党だ」と、強い疑問を呈した。
税制調査会と社会保障制度調査会の合同会議を途中退席し、取材に応じた石破氏は、「消費税を導入した時のあのつらさ、苦しさ。これから先、高齢化や少子化は進み、社会保障費はどんどん増える。そのためには、安定した財源が必要だということで、大平内閣でも中曽根内閣でもできなかったことを竹下(登)総理が、支持率が3%まで下がっても、(消費税導入を)歯を食いしばってやった」と、自身が若手議員の時に経験した、初めて消費税が導入された際の状況を振り返った。
「平成2年(1990年)の選挙は、消費税導入が入った予算の審議中にやったが、みんな歯を食いしばって当選し、今日がある」とも述べ、「支持率が下がっても必要なことはやるのが、自民党だ。それがなくなるということは、日本の国の将来に責任が持てないということ」と、高市政権の置かれた状況と竹下政権時を対比するように述べ、「安定した財源が消費税なんだということが、私はいちばん大事なポイントだと思う」と訴えた。
これまでの党内議論のプロセスにも異論を唱え「本当に、党内の意見をきちんと聞いたかと。『公約だから』『公約だから』と言うが、『検討を加速する』のが公約だった」と、今年2月の衆院選での党の公約に記された消費税減税をめぐる表現にも触れ、「『検討を加速した』結果、なお安定した財源が見つかっていないのが今の状況。これが安定した財源と言った人は、政府からも推進派からも1人もいない」と訴え、「一時的な財源は仮にあるにしても、これから社会保障費も少子化も高齢化もどんどん増える中で、こんな議論をしていいのかということだ」と述べ、高市首相の主張に沿った「結論ありき」の党内議論となっていることにも、疑問を突きつけた。
公約に掲げた「検討を加速する」について、「まだ財源が見つかっていない以上、検討は続けるべきだ。それは公約違反ではない」とも語った。
先月31日に続いて行われたこの日の会議は、予定時間を大きく超えて続いた。飲食料品の消費減税に関して賛否の応酬となったが、最終的に小野寺五典税調会長に対応が一任され、事実上、首相方針を了承した。

