現職の玉城デニー知事(66)が3期目を目指している沖縄県知事選は12日、13日の投開票を前に選挙戦最終日を迎えた。
玉城氏と、新人で前那覇市副市長の古謝玄太氏(42=自民、日本維新の会、国民民主、参政、保守、公明県本部推薦)による事実上の一騎打ち。12年ぶりの「県政奪還」へ必勝を掲げる高市早苗首相にとっては、今年2月の衆院選で歴史的圧勝を収めた翌3月にまさかの敗北を喫した石川県知事選と同様、永田町も注視する与野党激突の注目知事選だ。結果は高市政権の今後にも影響を与えるだけに、両陣営は最終盤に必死の選挙戦を展開している。
沖縄県知事選ではこれまで、米軍普天間飛行場の辺野古沖(名護市)移設の是非が主な争点になり続けた。国の移設方針に反対し、保守、革新の両勢力がイデオロギーを越え、地元経済界も加わり結集した「オール沖縄」勢力が推す候補が勝利してきた。2014年、自民党沖縄県連の重鎮で知られ、「移設反対」を掲げた元那覇市長の翁長雄志氏が初当選し、当時の第2次安倍政権と対峙(たいじ)を続けたが、2018年8月、在職中にがんのため死去。その遺志を継いだのが玉城氏で、「弔い選挙」となった2018年知事選で自民系候補を下して初当選。前回2022年知事選も勝利した。
ただ、今回の知事選はこれまでの選挙とは異なる様相を呈している。地元関係者は「これまで移設反対派を支援してきた『オール沖縄』勢力も変化し、当初知事選への立候補を予定した下地幹郎氏が自民党と政策合意を交わし、出馬しなかったことで、自民にとっては票の分散を最低限、防いだ。辺野古移設問題だけでなく、県民の間では経済政策への関心も、より高まっている」と指摘する。そんな中、選挙戦の情勢調査では玉城氏と古謝氏の接戦が伝えられ、古謝氏のやや先行を伝えたメディアもある。
玉城氏は先月27日の第一声で「全身全霊をかけて県民に尽くしていきたい」と訴えた。一方、今年2月に辺野古沖で起きた「平和学習」をめぐる船の事故で女子高校生ら2人が死亡した事故での対応には、批判や疑問の声も出た。今回は、政党色を前面に出すより「県民党」を掲げた選挙戦。1972年の本土復帰後に沖縄県知事を務めた8人のうち、3期目を担ったのは西銘順治氏しかおらず、玉城氏が勝利すれば2人目だ。
一方、古謝氏は第一声で「自分たちの手で沖縄の未来を描き、県民のみなさまとともに、その実現に向けて進みたい」と訴えた。複数の自民党関係者によると、当初、高市首相が選挙戦最終日に沖縄入りし、日本維新の会の吉村洋文代表(大阪府知事)とともに、古謝氏の応援に入るとの見方が一時、流れたこともあったという。
ただ、終盤まで情勢は両陣営の接戦が続き、高市首相が街頭演説に立った場合の発言は、選挙戦の大きなかぎを握ることにもなる。衆院選では自民を圧勝に導いた高市首相だが、首相の沖縄入りには地元でも慎重な声は少なくなかったという。結局、吉村氏が11日に沖縄入りし古謝氏とともに街頭演説し、連携姿勢を強調した。吉村氏は12日も街頭演説を予定している。
知事選には、いずれも新人で会社社長の兼島俊氏(48)、医療法人会長の末吉正弘氏(73)、会社社長の比嘉隆氏(49)、諸派で政治団体代表の屋良朝助氏(74)も立候補している。

