6月25日の東京ジャンプSをケイティクレバーで制した上野翔騎手(36)はレース翌週に左鎖骨のプレートを取り換える手術を受けており、現在は休養中だ。8月上旬の実戦復帰を目指している。

戦列を離れている今も日々、美浦トレセンを訪れ、自分の携わる馬たちの調教を確認し、厩舎関係者とコミュニケーションを取っている。ケイティクレバーの次走に予定されている新潟ジャンプS(J・G3、芝3250メートル、30日)には騎乗できないが「それは仕方ありません。4月に落馬した時に入っているプレートが曲がってしまって、それを替える手術を東京ジャンプSの翌週にすることになっていました。あと2、3週間で復帰する予定です」と前向きな笑顔を見せた。

東京ジャンプSはデビュー19年目の重賞初制覇だった。レース半ばでハナを奪い、直線で迫られると、最後にまた後続を突き放した。「重賞を勝つことができたけど、今回は馬に勝たせてもらったという気持ちが強いです。自分としては、1周目のゴール前のところで引かずに、積極的に行けたことが良かったと思います。ただ、今回は馬のおかげです」。本人はそう謙遜するが、レース後の検量室では他馬のジョッキーの口から「勝ち馬にうまく乗られた」「上野がうまかった」と賛辞の言葉があふれていた。

昨年の騎乗数90鞍は東西すべてのジョッキーで最多の騎乗回数。関係者の信頼も厚く、スタンドではすれ違う多くの調教師に「早く戻ってきてよ」と声を掛けられる。順調なら3回新潟開催が開幕する週末(8月13、14日)に復帰予定。上野騎手の騎乗を楽しみに待ちたい。【木南友輔】