表彰台に上がったヴェラアズール(牡5、渡辺)の野元昭嘉助手(46)は万感の表情だった。

思い出すのは7年前のジャパンC。現在は渡辺厩舎で攻め専を務めているが、当時は松田博資厩舎に所属していた。担当していた馬がラストインパクト。15年のジャパンC、今回のヴェラアズールと同じ3枠6番に入り、ゴール前強襲。勝ったショウナンパンドラにわずかに首差及ばず2着に敗れていた。当時の鞍上もライアン・ムーアだった。

「3枠6番を引いたときに何か縁のようなものを感じました。また2着かな、とも思ったんですけど、ムーア騎手にはレース前に7年前、ラストインパクトを担当していたんですよ、と話しました」。

信じていたヴェラアズールの末脚。最後は大興奮だった。「レースは全部見てなくて、直線の残り少ししか見てなくて…。最後はすごい脚でしたね。メチャクチャ叫びました。帰りの新幹線でゆっくりレース見ながら帰りたいです」。7年前、あと少しで逃した勝利の味をかみしめる。