2022年も多くの名馬、ホースマンが天国へと旅立った。今もなお有馬記念レコードとして残る勝ち時計をマークしたゼンノロブロイ、同じ藤沢和厩舎所属で90年代最強マイラーのタイキシャトル、そして福永祐一騎手に悲願のダービータイトルをもたらしたワグネリアン…。ファンの記憶に残る名馬、名調教師の死を悼むとともに、その栄光を振り返る。(JRA、牧場、調教師会などからの発表を受け紙面で報じたG1馬、調教師が中心)
■伊藤雄二元調教師(85)8月17日
同月19日に日本調教師会から老衰で亡くなったことが発表された。最後は苦しむことなく眠るように息を引き取ったという。
大阪府生まれで、1955年に騎手見習いとして伊藤正四郎厩舎に入門。59年に騎手デビューし、535戦72勝の成績を残した。66年に義父の急逝を受け、急きょ騎手を引退し調教師免許を取得。29歳と若くしてトレーナーに転身した。
調教師としては歴代8位となるJRA通算1153勝を挙げた。G1級勝利は13勝。2冠牝馬マックスビューティ、名手・柴田政人騎手をダービージョッキーにしたウイニングチケット、17年ぶりに牝馬で天皇賞・秋を制したエアグルーヴ、天才少女ファインモーションなど数々のスターホースを育て上げた。年間最多勝3回、最多賞金獲得調教師賞2回、最高勝率調教師賞7回、優秀調教師賞10回受賞。平成26年度の顕彰者にも選ばれた。
調教師引退後は長い間、日刊スポーツの紙面コラム「雄二の流儀」でG1を中心に馬券予想をした。有馬記念の予想では毎回<1>余力がどれだけあるかの見極め、<2>内枠絶対有利で外枠割引、をポイントに挙げていた。
■矢野進元調教師(84)2月11日
病気のため死去。56年に矢野幸夫厩舎で騎手デビュー。騎手時代は943戦103勝を挙げた。73年に調教師免許を取得、75年に厩舎を開業した。08年2月に定年引退するまで、5605戦532勝(重賞36勝)を挙げた。G1は84年のグレード制導入後、3勝。85年天皇賞・秋、86年安田記念を制したギャロップダイナや、春秋中山大障害5勝のバローネターフなどを育てた。蛯名正義騎手(現調教師)の師匠。

