<マイルCS>◇19日=京都◇G1◇芝1600メートル◇3歳上◇出走16頭

ナミュール(牝4、高野)が念願のG1初勝利をつかんだ。8度目の挑戦での栄光だった。

高野師を取材していると、特に馬のメンタルを気遣いながら調教を行っているように感じる。以前、それについて尋ねたことがあった。

「この馬はどういう心理状況で、馬房とか調教とか競馬とかをしているのかに興味がある。生物学に興味がある感じで生きてきたので」

師がその過程で重要と考えたのは、調教と馬の精神面のバランスだった。

「馬って、人間と違ってモチベーションがない。走るのが嫌になっては絶対にだめ。嫌になるかならないかの瀬戸際のところでも調教はしなきゃいけない。ラインを見極めなきゃいけない」

馬が走ることを嫌いにならないように-。その対策の1つとして集団で調教することを取り入れた。それは馬の本能的な性質を考慮したものだ。

「馬は集団の中で生きてきた生き物だから、つらい思いや不安な思いとかを助けてくれるのは集団だと思っています。だから普段の調教でも、群れというのを意識することを厩舎全体に浸透させています」

写真のように、何頭かで調教に向かうことで不安感を軽減させる。“競走馬”である前に1頭の“ウマ”なのだ。普段、競馬を見ているだけでは、まず気付かない。そういった新しい視点を与えてくれる高野師の取材を、いつもひそかに楽しみにしている。【下村琴葉】