<オークス>◇24日=東京◇G1◇芝2400メートル◇3歳牝◇出走18頭
今村聖奈騎手(22=寺島)がオークスを5番人気ジュウリョクピエロ(寺島)で勝利し、JRA女性騎手としてクラシックレース初騎乗初制覇の偉業を達成した。
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決意の一念発起が実った。昨年4月、美浦担当の記者が栗東所属の今村騎手を初めて取材した。22年に華々しくデビューも24年は6勝。自身最低の勝利数にとどまった。停滞する現状を変えようと、関東ローカル開催に合わせて美浦滞在を試みていた時期だった。
「毎日新鮮ですよ! そういえば最近、発見したことがあるんです。私、すき家の牛丼がすっごく大好きで。こっちでも1人で行ったんですけど、関西と違って味が濃いんですよ。知ってました? 今度意識して食べてみてください(笑い)」
イメージ通り、ポジティブで明るい。初対面で魅力に触れ、一気に引き込まれた。
よく見た光景がある。多くの馬が調教を終え、一段落ついた時間帯。人の気配が少ない調教スタンド横のベンチに、いつも1人で腰掛けていた。
「馬を見るのが大好きなんです。この馬は走るな、もっとよくなりそうだなとか思いながら。レースに乗る前もできる限り早めにパドックに行って、周回する様子を見るだけでも勉強になるんです」
どんな時間も無駄にしない。常に学びを求め、努力を重ねた。持ち前の明るさで関東、関西の垣根を越え、白星が増え、存在感が増してきた。
今年に入り、少し意地悪な質問だが「関東と関西で人の違いはある?」と聞いた。
「正直、先入観でしたね。勝手にドライなのかな、と思っていました。でも、関東の皆さんが本当に温かくて。そのおかげで頑張れていますし、恩返しをしたいなって思うんです」
大観衆の前で会心のガッツポーズ。これ以上ない、恩返しだ。【桑原幹久】

