日刊スポーツ、日刊銀鱗倶楽部主催の「月桂冠杯・福井・若狭筏チヌ釣りセミナー&大会」が11日、福井・おおい町の西森渡船、はやし渡船の各筏(イカダ)で行われ、57人が参加してチヌの1匹長寸(20センチ以上)を競った。曇り、ほぼ無風の絶好のコンディションだったが、潮の動きが鈍く、チヌの活性はいまひとつ。それでも参加者たちは午後2時の納竿まで奮戦。33センチを仕留めた小西欽三さん(東近江市)が優勝を飾った。最多匹数を競う「月桂冠賞」は、食い渋りの中37匹を釣り上げた百田茂さん(京都市)が受賞した。

 食い渋りも、執念で打ち破った。20センチ以上のチヌを対象にした大会は、大浦筏やナミダ水筏などに分かれて午前6時半、ホーンの音とともにスタート。57人の参加者たちが、一斉に仕掛けを投入した。

 曇り空だが雨の心配はなく、風もほとんどない絶好の釣り日和。だが、数日前の荒天に加え、この日は潮の動きが鈍いせいかチヌの活性が上がらない。良型チヌを仕留めようとする人たちは、早朝は丸貝やサナギ、コーンなどで落とし込み、ターゲットを狙ったが、なかなか反応がない。

 講師役として見守った兼松氏は「やはりダンゴを入れて濁りを出しつつ、サナギや丸貝などのエサと同調させることが必要。(落とし込みだけでなく)メリハリをつけることでチヌに反応させるステージを作ってから攻めるほうがいい」と食い渋り攻略法の一端を明かす。

 そんな中でも、場所ムラはあるものの各所でポツポツとサオが曲がる。月桂冠賞を獲得した百田さんは、午前7時半ごろから本命をかけ続け、37匹を釣り上げた。昼からは快晴となり、午後2時の納竿まで参加者はサオをふるった。

 「今日は厳しかった」「チヌアタリが少なかったなぁ」などの苦笑いももれたが、シビアな条件下で多くの参加者が大奮闘。検寸会場には参加者の半数を超える34人が魚を持ち込んだ。チヌは22・5センチから33センチまでと型こそ伸びなかったが、全体で110匹をオーバーと釣果は十分。笑顔のあふれる表彰式で大会を締めくくった。【高垣誠】

 <主催>日刊スポーツ・日刊銀鱗倶楽部 <特別協賛>月桂冠株式会社 <協賛>がまかつ、シマノ、グローブライド、マルキユー、オーナーばり、東レインターナショナル、ボナンザ、ハヤブサ、ユニチカ、ミヤマエ、ダン、サンライン、ゴーセン、ヤマワ産業、ジールオプティクス、ルミカ、ハピソン、ウイング黒鯛工房 <協力>西森渡船、はやし渡船。