スポーツ仲裁裁判所(CAS)は14日、北京オリンピック(五輪)フィギュアスケート女子ROC(ロシア・オリンピック委員会)代表のカミラ・ワリエワ(15)が昨年末のドーピング検査で陽性反応を示していた問題で、北京五輪の個人戦出場を認める裁定を下した。

女子ショートプログラム(SP)は15日、フリーは17日に予定されている。SP、フリー、合計点の世界歴代最高得点を持つ15歳が、金メダルを獲得した団体戦に続いてリンクに立つ。

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CASは13日午後8時34分から北京臨時オフィスをベースにオンラインで公聴会を開き、以下の6者が出席した。

ワリエワ

国際オリンピック委員会(IOC)

世界ドーピング防止機構(WADA)

国際スケート連盟(ISU)

ロシア反ドーピング機関(RUSADA)

ROC

ワリエワに関しては北京五輪代表選考会の1つだったロシア選手権(サンクトペテルブルク)で12月25日に採取された検体から、持久力向上の効果があるとされる禁止薬物トリメタジジンが検出された。RUSADAは団体戦終了翌日の2月8日に暫定資格停止処分を課したが、ワリエワサイドが翌9日に異議を申し立て、同日夜に処分の解除が決定された。

その決定を不服とし、IOC、ISU、WADAがCASに提訴していた。

今回、CASが下した裁定を受け、国際的な議論は続きそうだ。

15日に予定されているSPの主な滑走順は、以下の通り。

〈4〉河辺愛菜(木下アカデミー、21年GPシリーズNHK杯2位)※15日午後6時27分(日本時間同7時27分)ごろ

〈20〉樋口新葉(明大/ノエビア、21年全日本選手権2位)※午後9時5分(同10時5分)ごろ

〈25〉カレン・チェン(米国、21年世界選手権4位)※午後9時46分(同10時46分)ごろ

〈26〉カミラ・ワリエワ(ROC、22年欧州選手権優勝)※午後9時52分(同10時52分)ごろ

〈27〉劉永(ユ・ヨン=韓国、20年4大陸選手権2位)※午後9時59分(同10時59分)ごろ

〈28〉アレクサンドラ・トルソワ(ROC、21年世界選手権3位)※午後10時5分(同11時5分)ごろ

〈29〉アンナ・シェルバコワ(ROC、21年世界選手権優勝)※午後10時12分(同11時12分)ごろ

〈30〉坂本花織(シスメックス、21年GPシリーズNHK杯優勝)※午後10時18分(同11時18分)ごろ

【松本航、木下淳】

◆スポーツ仲裁裁判所(CAS) スポーツに関連する紛争などを解決するための独立機関。国際スポーツ組織などに詳しい弁護士、判事ら法律の専門家で構成されている。選手が法廷闘争を起こすケースが増えたことを受け、一般の裁判所とは別機関として、国際オリンピック委員会(IOC)が1983年創設。94年にIOCから独立。本部はスイス・ローザンヌ。