2連覇を狙う日本が、いきなりの五輪新記録で初戦を突破した。高木美帆(27=日体大職)佐藤綾乃(25=ANA)高木菜那(29=日本電産サンキョー)の3選手でスタート。先頭交代回数3回の新作戦で2分53秒60をマークした。高木美が6周のうち1周4分の3×2回の計3・5周で引っ張り、1位通過した。15日の準決勝でROC(ロシア・オリンピック委員会)と対戦。決勝も同日にある。
◇ ◇ ◇ ◇
「見てからのお楽しみ」(高木菜)とベールをかけていた日本が、新戦術を披露した。序盤から開催国・中国との軽々リードを広げる中、注目された先頭交代回数は3回。まず高木美が1周と4分の3、佐藤が1周、高木菜が1周と2分の1で頭を走る。最後に再び高木美が1周と4分の3を引っ張り「まずは初戦突破に貢献できてうれしい。でも、あくまで予選は予選」と涼しい顔で振り返った結果が五輪新記録となった。
メリット=空気抵抗軽減による体力温存と、デメリット=隊列を組み直す際の減速、を勘案した新戦略で6周を回り切った。高木菜が「いい面もリスクもある中、ヨハン(デビット・コーチ)が最終決定した一番速く滑れる作戦」と説明。「どんなタイムが出るか分からなかったけど」と笑いながら「良かった」と納得した。佐藤も「最後は美帆さんをプッシュし切れなかったけど、全員のベースが上がったからこそ100(%)以上の力が出せる」と編成に手応えをつかんだ。
2分53秒60。これまでの五輪記録は4年前の平昌大会で金メダルの日本が自ら記録した2分53秒89だ。初戦から更新して1位通過。カナダが2位、オランダが3位、ROCが4位で続いた。15日の準決勝ではROCと対戦。きっちり1位になったことでカナダ、オランダの難敵勢との対決を先に持ち越すことができた。
記録には一瞬の喜びを見せたものの、気は引き締まる。カナダは長距離に強く今季W杯3戦3勝。平昌五輪で日本に次ぐ銀メダルだったオランダも、今大会の中長距の全3種を制したメンバーがそろう。高木美は「最後のラップがカナダ、オランダを下回っていたので改善していきたい」と所感の序盤に口にした。押切美沙紀も含めた4人で2連覇へ。五輪新の発進も、再び金メダルをつかむためのまだ第1歩だ。【木下淳】




