オリンピック(五輪)は昔ハンマー投げをやっていた時に目指していた、行きたいなと思っていた夢の舞台です。でも僕の時は室伏広治さんがいたので、そこを倒さないといけない。そこを目標に頑張っていました。
高校では投てき種目全般をやって、3年間で全種目インターハイに行けました。高校を出て大学に行くと、大学生で五輪に出るような先輩や後輩がいて身近に感じました。でも逆に現実も分かって相当厳しいんだなって。正直夢の舞台だなって感じでした。
世界とは単純にフィジカルが違いました。室伏さんにちょっとでも近づきたい、調子悪ければ勝てればと思ったけど、そんなに甘くなかったです。15年に日本選手権を優勝した時は、室伏さんが欠場したので戦って倒したかったです。拍子抜けしたというか、何でやっているんだろうって思っちゃって。五輪を目指している人だったらそんなこと感じないけど、自分はそう感じました。そこから目標も失ってしまいました。
東京五輪までの何年間で世界との差をクリアできるかと考えた時に、何も方法はない。その時は自国枠で出られるんじゃないか、って話も出てたんですけど、それで出ても恥をかくだけ。標準を切って出ないと意味がないと思ったので。会社からはやってもいいと言われたけど、期待されたままやっても、自分が諦めているのに違うなと思って。だますことになると思ったので辞めました。
五輪を目指せる人は幸せです。最初から目指せない人もいる。適性がなかったり。挑戦できることは幸せなことだってことは忘れないようにしてほしいです。体が壊れるまでやってもかなわない夢かもしれない。
でも僕は競輪に来て生かされている。駄目でも思い切りやってほしい。報われない可能性が高いかもしれないけど、その先に生きてくることはある。明日やればいいっていうのは思わない方がいい。今思えばもっとやれた、って思います。
競輪のナショナルチームは他のスポーツよりも犠牲にしている部分が大きいと思います。結果は別で力を出し切れる場所を作ってほしい。競輪に出れば稼げるのに、そこを捨てて懸けている。自分の幸せを犠牲にしている。東京五輪をやって良かった、って思えるのが一番ですね。(355人目)




