【ミラノ=松本航】日本の佐々木翔夢(20=明大)と蟻戸一永(23=ウェルネット)は、悔いを残すレースとなった。

16人で出走し、16周するレース。中盤からオランダのヨリト・ベルフスマと、デンマークのビクトハル・トープが大逃げした。40歳のベルフスマが68点で金メダルを獲得した。

マススタートは2人1組で滑る他の個人種目と異なり、大勢で一斉に長距離を滑る。4周ごとの通過順とゴール時の順位に応じた得点合計で争うが、1~3位はゴールの着順となるルール。メダル獲得のためには3着以内に入る必要があった。

日本勢2人はベルフスマ、トープの飛び出しに反応せず、差を半周以上つけられた集団でレースを進めた。現実的には銅メダル争い。10位となった佐々木は「ずっと後方待機で体力温存して、ラスト勝負でメダルをとりにいく作戦でした。誰かしら(集団の中から2人を)追うだろうと思っていた」と振り返った。

だが、その差はどんどん広がっていった。さらに集団には米国のジョーダン・ストルツがいた。今大会500、1000メートルを制し、1500メートルでも銀メダルの実力者。だが、佐々木の位置取りは集団の5~6番目だった。全体像がつかめない位置取りを強いられ「集団でトップに立つ(=銅メダル)ことを考えると、3番目ぐらいにいないと勝負できなかった。第2集団の中でも銅メダルの位置(先頭)にいないと(飛び出した2人に競り勝っての)金メダルはなかった。読みが甘かったのと、実力不足だったと思います」と悔いを残した。

13位だった蟻戸も、集団に埋もれてしまった。入賞には重要となる4周ごとの通過順のポイントは意識せず「本当に最後、メダルを取るっていう意味で温存しようと思った」と明かした。だが、集団と2人の差は広がり「ずっと後ろにいてしまって、展開を読んで前の方にいけなかった。(集団の)みんながけん制したので、そこで自分自身も守りに入ってしまった結果です」と振り返った。

“もし”を考えると、悔しさがある。

「逃げるところに食らい付いて、そのままいけば(メダルの)チャンスがあったと思う。(集団の中で)けん制してる間に差していく考えもあったんですけど、自分自身、そこでいける自信がなかったのも悪かったです」

地力の差を痛感した。

最後はともに未来を見据えた。佐々木は「1500メートルは今大会出られなかったので、4年後はちょっと出たいというのがあります。5000(メートル)、パシュート、マススタートは変わらずに(今回)出た自分が引っ張っていける存在にならないといけない」ときっぱり。蟻戸も「ケガをした時はオリンピックは考えられなかった。こうして出場することができて、もっとスケートで頑張っていきたい。いろいろな人に見てもらえるのもすごくうれしかったので、より一層頑張って、この舞台で勝ちにいきたいと思いました」と誓いを立てた。

◆マススタートのルール 走路を仕切らないシングルトラックを一斉にスタートし、トラックを(6400メートル)して、獲得得点で競う。1位60点、2位40点、3位20点、4位10点、5位6点、6位3点。さらに4周、8周、12周を終えた時点の1位に3点、2位に2点、3位に1点が与えられる。1位から3位まではゴールした順番通りにメダルの色が決まる。4位以下は途中で獲得した得点やゴール順で順位がつくため、着順と最終順位が異なるケースが出てくる。1回戦は2組で各組の上位8人、計16人が決勝に進む。