SU5(上肢障がい)の13年世界選手権女王・豊田まみ子(27=ヨネックス)が、初戦でパティル(インド)に2-0(21-4、21-2)で圧勝した。

「ちょっと緊張しました。気持ちは大丈夫でしたが、体が硬くてサーブが上がらなかったり、サイドアウトしたり。でも、それ以外のミスはほとんどなく戦えました。足も大丈夫でした」。豊田は柔らかい笑顔で試合を振り返った。

10月のデンマーク国際では準決勝を勝ち上がりながら古傷の両アキレス腱を痛めて鈴木亜弥子(32=七十七銀行)との決勝を棄権。治療、リハビリを経て今大会に照準を合わせてきた。

ベスト8にとどまった8月の世界選手権(スイス)以降、日本代表のチーム方針もあってシングルスに絞って東京パラリンピックを目指している。出場レースはダブルスの成績が最優先されるため、豊田にとっては険しい道のりになるが「人を気にしないで自分のことに集中できるから」と前向きだ。

現在、東京パラ出場ランキングは5位。来年4月までの国際大会でできる限りポジションを上げておく必要がある。昨年9月には右ハムストリング付着部(お尻と太ももの間)の筋肉を断裂。選手生命を失いかねない大けがを7カ月かけて克服するなど、アイドルのようなルックスの裏に強固な意志を秘める。直近の3大会は3位、3位、2位とスピードを生かした本来のプレーが復活しているのもプラス材料だ。

「世界選手権は残念でしたが、ずっとメダルを目指して練習してきました」。2年ぶりのJAPAN国際で、舞台は東京パラの会場・代々木第1。来年につながるメダル獲得へ、豊田がスタートを切った。

   【小堀泰男】