日本は第3戦でブラジルに0-3で敗れ、1勝2敗となった。この一戦を、インドアとビーチバレーで五輪4大会連続入賞の高橋有紀子さん(48)が分析した。

 ◇ ◇

 五輪2連覇中のブラジル相手に、日本は試合の入りは良かった。10-6とリードしたんですが、長岡選手がスパイクを外したり連続ブロックポイントを取られたりで逆転されて、そこから流れが相手にいってしまいました。日本の攻撃が読まれていましたね。ミドルがあまり入ってこないと見ると、相手のブロックがサイドに素早く動いて仕留められていました。

 流れを変えなくてはいけない第2セットも最初は競っていたんですが、7-8からのブラジルの9点目と11点目が強烈でした。強打を拾って大きく乱れたボールにセッターが素早く走り込み、オーバーハンドでいとも簡単にトスを上げると、ナタリア・ペレイラが強烈なスパイクを打って決めた。すごいパス力というか、つなぐ力を見せつけられて、「やられた」という感覚がありましたね。

 ただ、少し心配していた荒木選手のブロックはよかった。5ポイントを挙げています。キレが戻ってきた様子で、いい形でボールを止めていました。今後に明るい材料です。

 次戦のロシアも高さがあるチームです。今日もエンドライン際の長いスパイクを打たれているところが気になりました。ブロックの上から打たれるのは仕方ない部分もありますが、レシーブの戦略を練り直し高さのあるロシアに挑んでほしいと思います。

 ◆高橋有紀子(たかはし・ゆきこ)1967年11月12日、長野県須坂市生まれ。墨坂中でバレーボールを始め、エースアタッカーとして全国制覇。八王子実践高に進みセッターとして大林素子らとともに春高バレー準優勝。86年日立に入団し、日本代表として88年ソウル五輪(4位)、92年バルセロナ五輪(5位)出場。ビーチバレーに転向し、96年アトランタ五輪(5位)、00年シドニー五輪(4位)出場。168センチ。