日本が第4戦でロシアに0-3で敗れた。この一戦を、インドアとビーチバレーで五輪4大会連続入賞の高橋有紀子さん(48)が分析した。

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 第1セットから気になったのが、ブロックのフォローです。高さのあるロシアのブロックにつかまることはある程度仕方ないですが、ブロックに跳ね返されたボールが自コートにノータッチで落ちるシーンが多すぎました。フォローが弱い。拾って粘って相手のミスを誘うのが日本のバレー。ここは頑張ってほしいところです。

 相手の高さがあると、フェイントを打つケースも増えます。このボールを落とす場所にあまり変化がないように見えました。ブロックのうしろの決まった範囲内に落ちているので、相手も予測して拾ってきます。逆サイドのネット際とか、スペースの空いている後方とか、技術的には難しいですが変化がほしいところです。山口選手のアタックが決まっているのは、強さではなくコースの多彩さが理由でしょう。

 ロシアはリベロ(マロワ)がよかったですね。ここぞという場面で必ず拾って得点につなげていました。落ち着いた空気をチーム全体に広げていて、陰の立役者だと思います。

 日本はもうアルゼンチンに勝つしかありません。好材料は、セッター宮下選手の復調です。途中出場でサービスエースや食らいつくレシーブを見せて、気迫が表情にも表れていました。先発を外されたことで「やってやる」というスイッチが入った感じがします。期待したいです。

 ◆高橋有紀子(たかはし・ゆきこ)1967年11月12日、長野県須坂市生まれ。墨坂中でバレーボールを始め、エースアタッカーとして全国制覇。八王子実践高に進みセッターとして大林素子らとともに春高バレー準優勝。86年日立に入団し、日本代表として88年ソウル五輪(4位)、92年バルセロナ五輪(5位)出場。ビーチバレーに転向し、96年アトランタ五輪(5位)、00年シドニー五輪(4位)出場。168センチ。