サニブラウンの決意「日本に金メダルを」拠点も移す

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陸上男子100メートルで9秒97の日本記録を持つサニブラウン・ハキーム(21)が4日(日本時間5日早朝)、国際オリンピック委員会(IOC)のインターネットテレビ「オリンピックチャンネル」が主催するインスタグラムでのライブ配信に出演した。

互いに英語でのインタビュー。冒頭から和やかな雰囲気でスタートした。司会者から伸びた髪を指摘され、サニブラウンは「今はシャワーを浴びたばかりだから小さいけど、乾けばもっと大きくなるかも」と笑顔。新型コロナウイルスの影響により中断していたシーズンが、これから始まる。「今はあまり気にしてないから伸ばしてるけど、レースの時は短い方がいいね」と語った。

また司会者にお願いされ、引っ越したという新居の一部も公開。獲得したトロフィーを飾る棚や、キッチン、そしてテーブルの上に準備していた昼食も披露した。

もう米フロリダを拠点にして約3年になる。気温は35度を超える日も多く「すごく暑い」と言うが、環境に適応し、成長を続けている。「長くフロリダに居るので、日本に行く時は、帰国というより旅行に行く感じ」と笑った。ただ、フロリダでも未知のウイルスは、猛威をふるう。春にはグラウンドやジムが封鎖となった。訪れた苦境の中で、自宅のソファを使ったトレーニングなど工夫をしてきたという。現在、環境は戻りつつあり、主に高校のトラックで練習している。「練習できる場所は小さな広場くらいしかなかったので、本当によくなった」と話した。

このほど、練習拠点をフロリダ大から「ダンブルウィード・トラック・クラブ」に移した。同クラブは17年の大学進学前に指導を受けていたレイナ・レイダー氏がコーチだ。「彼とトレーニングをするのはとても楽しいし、他の選手と一緒にトレーニングのも楽しい」。世界選手権(ドーハ)で男子200メートル銀メダルのアンドレ・ドグラス(カナダ)、男子三段跳びで五輪2連覇のクリスチャン・テイラー(米国)らと練習をともにする。世界トップ選手と切磋琢磨(せっさたくま)する日常。「モチベーションが高まる。みんな速いし、経験も豊富。毎日、学ぶことがたくさんあって、本当にいい経験をできている」と充実した様子だった。

東京オリンピック(五輪)へ向けた思いも語った。「ワクワクする。母国でオリンピックが開催されるとは想像もしていなかった。日本に金メダルをもたらしたい」。その言葉には、たしかな決意が込められている。

個人種目はもちろんだが、男子400メートルリレーでの活躍も期待される。昨秋は世界選手権(ドーハ)ではアンカーとして、37秒43のアジア新記録での銅メダルに貢献した。「バトンは大学だとオーバーハンドパスだけど、日本のナショナルチームはアンダーハンドパス。その適応が少し難しかったが、少しずつうまくなっていると思う」。4年前のリオデジャネイロ五輪は銀メダルだっただけに、東京五輪では初の金メダルの期待が高まっている。プレッシャーについて聞かれると、「あまり考えないようにしている。たくさん人からの応援がプレッシャーというより、モチベーションになっていると感じる」と頼もしかった。

高校を卒業後、アメリカへ渡った21歳。新しい道を開拓し、進化を続ける。まだ日本新記録は通過点にしか過ぎない。