東京オリンピック(五輪)・パラリンピック組織委員会の武藤敏郎事務総長(76)が17日、東京・晴海で会見し、国内聖火リレーの福島(26~28日)栃木(29~30日)群馬各県(31~4月1日)に関する新型コロナウイルス感染症対策を発表した。

26日に福島・Jヴィレッジで行われる出発式(グランドスタート)は無観客となり、地元児童による「花は咲く」の合唱も取りやめた。第1走者のサッカー女子日本代表なでしこジャパン約20人には変更がない。

各日、各地のセレブレーション(到着式典)等も一般客の入場・観覧を中止する。聖火ランナーには集合前の検温を依頼し、37・5度以上の発熱があった場合は参加を遠慮してもらう。マスク着用は義務付けないが、希望があれば止めはしないという。

沿道の応援は全面的な自粛こそ求めなかったが、体調不良者には来場の遠慮を求める。過度の密集が生じた場合は「ランナーの走行区間を入れ替えたり、早めに次走者へ渡したり(聖火を途切れさせない形で)打ち切ったり。例えば聖火だけ車で運ぶこともあるかもしれないし、やむを得ず実施形態を変える可能性がある」と説明した。

初日の26日はジャニーズ事務所の人気グループTOKIO(南相馬市)をはじめ、著名人の走行が予定されている。沿道に多くのファンが殺到することが当然予測され、実際にギリシャでは有名俳優の区間に一般客と報道陣が殺到。中止に追い込まれた。その前例を踏まえ「そうならないよう努力はするし、沿道の皆さまにもご協力をお願いしたい」。実施形態の変更については、走者の同意も得た上で「現場にいる各県の実行委、同行する組織委の担当者の判断に任せたい」と武藤氏は説明した。

ただ、その「密集」の程度については定義づくりが難しい。多くの報道陣に囲まれた(写真)状態について武藤事務総長に「これは密集状態ですか?」と質問が飛び「このくらいでは密集とは言わないと思います」と答える場面もあった。

本来は多くの国民に聖火をお披露目したいところ。「苦渋の決断、断腸の思い」とした同事務総長は121日間に及ぶ聖火リレーについて「中止は考えていない。そうならないように適切な対処をしたい」。海外メディアから本大会の通常開催を疑問視する質問を浴びても「国民の皆さまのいろいろな声があることは分かっているが、事態が刻々と変わるように世論も変わっていく。我々は7月24日の開幕に向けて予定通り準備するだけ。IOC(国際オリンピック委員会)も政府当局も予定通りで一致している。安心安全な形で開催できるよう努力することが役割」と従来の姿勢を繰り返した。