ロイター通信は3月31日、東京オリンピック(五輪)・パラリンピック組織委員会の理事を務める電通元専務、高橋治之氏(75)が五輪招致委から820万ドル(約8億6100万円)相当の資金を受け取り、国際オリンピック委員会(IOC)委員らにロビー活動を行っていたと報じた。同氏はロイターに、招致疑惑でIOC委員時の収賄容疑が持たれているディアク世界陸連前会長(セネガル)にセイコーの腕時計やデジタルカメラなどを贈ったが、賄賂など不適切なことはしていないとした。

この疑惑はフランス捜査当局が、日本オリンピック委員会(JOC)竹田恒和前会長を贈賄の疑いで本格捜査の対象とした。同氏は容疑を否定している。招致委の銀行口座記録は日本側がフランス当局へ提出。ただ、当局は招致委から支払いを受けた日本人の事情聴取はしていないとされる。