女子初、女子○人目。そんな表現は失礼であり、必要ないのかもしれない。
3月のクラシックを制した遠藤エミに続き、平高奈菜が先日幕を閉じた宮島オールスターで女子史上4人目のSG優出を決めた。ファイナルは大外から6着に敗れたが、強力に仕上げた伸びは大いに期待を抱かせた。性別を除いて平高の活躍に違和感は全くない。ボート界の“ジェンダーレス”は確実に進んでいる。
宮島オールスターはとにかく、女子レーサーの活躍が目立った。エース機とコンビを組んだ実森美祐は予選を突破。準優でも見せ場を作った。「SGの準優に乗った実感はないです。エンジンがいいからすごくいい経験をさせてもらえた。本当に勉強することが多かった。出場させていただけたことに感謝です」と大きな収穫を口にした。
実森以外に、高田ひかる、倉持莉々も次々とSG初勝利を挙げ、ファンを魅了した。目を引いたのがそのレースぶり。高田が伸び仕様のセッティングで他の選手からも一目置かれる走りを見せれば、倉持は西島義則に競り勝つなど、男子相手に1歩も引かない姿勢を見せた。倉持は「まだまだ勉強ですよ」と謙遜するが、確かな爪痕を残した。
平高は高田らと一緒に、水神祭で何度もプールに飛び込んだ。「今の時期は全て飛び込むことに決めているんですよ(笑い)。運気をもらった? というよりは、みんなうまいなと思って見ていました」。
それぞれの頑張りが相乗効果を生んだことは間違いない。女子レーサーの活躍が快挙でも何でもなく、ニュースにならなくなる日も、そう遠くはなさそうだ。