女子ボートレーサーの魅力に迫る「ビューティフル・ボートレース」。今回は、西村美智子(35=香川)を紹介する。元祖癒やし系アイドルとして人気の女の子が今や2児のママさんレーサーとして奮闘する。それでも真摯(しんし)にレースに取り組む姿はいつまでも変わらない。

西村美智子
西村美智子

 -デビューから結婚、そして2度の出産を経て続けてきたレーサー人生を振り返って

 西村美智子(以下西村) 高校の時に読んだ漫画『モンキーターン』でボートレースのことを知って、テレビで女子の山川美由紀(女子ボートレース界の第一人者)さんの走ってるレースをみて憧れました。高校在学中に一度は受けて断念して大学に進んでも、あきらめきれずに再受験して夢がかないました。

 -初出場した09年の女子王座決定戦(現レディースチャンピオン)の選手紹介で披露した手話が話題に

 西村 耳が不自由だったのにここまで育ててくれた両親に喜びを伝えたかった。負けず嫌いで最初はとにかく、勝ちたい、勝ちたいとその一心でやってきたけど、支えてくれた両親への感謝の思いや応援してくれるファンの存在も知ってレースに挑む気持ちもさらに熱くなりました。

蒲郡ボート・レディースチャンピオン開会式で手話を披露
蒲郡ボート・レディースチャンピオン開会式で手話を披露

 -結婚、出産でも変わった

 西村 長女出産で1年間休むことになって、さらにレースへの思いは強くなりました。生まれる子どものためにもお母さんが頑張ってる姿を見せないと。

 -2度目の出産でも折れなかった

 西村 最初から子どもは2人欲しいと思ってました。だから絶対に復帰するつもりでした。協力してくれるレーサーの夫や家族の分も頑張って強くなっている自分も発見できました。一戦、一戦、集中できてますし、独身時代よりも進化していると確信してます。特に今年はレディースチャレンジカップ出場(今年の賞金上位20人が出られる)を目標に、選手生活で一番充実してます。

長男、長女と遊ぶ(本人提供)
長男、長女と遊ぶ(本人提供)

 -育児でオフはない

 西村 競走が多くて子どもたちには寂しい思いをさせてます。その分、いっしょにいる時は、思う存分いっしょにいてあげて、思い切り遊んであげるようにしています。キャンプとかディズニーランドとか率先して出かけるようにしてます。たっぷり遊んであげたら自分も楽しいし競走にいくときもしっかり切り替えができます。好きな映画鑑賞も今は子どもたちと見にいくだけです。最近は「天気の子」と「ライオンキング」を見にいきました。

デビュー時から支え合った同期4人。左から西村美智子、加藤綾、木村紗友希、藤崎小百合(本人提供)
デビュー時から支え合った同期4人。左から西村美智子、加藤綾、木村紗友希、藤崎小百合(本人提供)
先輩の西坂香松(左)とトークショーに出演。中央は司会の村上志津香さん(本人提供)
先輩の西坂香松(左)とトークショーに出演。中央は司会の村上志津香さん(本人提供)

 -最後にボートレースの魅力とは

 西村 生でレースを見てもらったらその迫力にびっくりすると思います。それと男女が同じステージで戦えることですね。私が憧れた山川先輩も男子に勝って大きな大会を優勝してます。私も悲願の初優勝を目指してやるだけです。

※次回は10月8日更新予定

 ◆西村美智子(にしむら・みちこ)1984年(昭59)4月12日、香川県生まれ。神戸女子大在学中に受検し、95期で04年11月丸亀でデビュー。優出は21回も優勝にあと1歩届かない。夫は香川支部所属のボートレーサー木村光宏(48)。8歳の長女と5歳の長男がいる。昨年の獲得賞金は1410万3000円、今年は1700万4000円(9月3日現在)。157センチ、50キロ、血液型B。