今年も、短期登録選手がガールズケイリンに参戦している。ステファニー・モートン(27=オーストラリア)とナターシャ・ハンセン(28=ニュージーランド)、ロリーヌ・ファンリーセン(30=オランダ)は、昨年に続いて2度目。そして初参戦のニッキー・デグレンデル(21=ベルギー)とマチルド・グロ(19=フランス)は、どんなレースをするのか興味が尽きない。5人の特徴についてJKAから、女子短期選手の自転車整備を委託されている鬼原積(きはら・つもる)氏に聞いた。

レース前に空気圧を確かめる鬼原積氏(撮影・野島成浩)
レース前に空気圧を確かめる鬼原積氏(撮影・野島成浩)

 鬼原積氏は元選手(32期)。引退後は故郷の広島市内で自転車店を営みながら、整備の腕を見込まれ、ナショナルチームにメカニックとして帯同してきた。ガールズケイリンとの縁は、開幕前にエキシビションレースを行う頃から。現在は、新田祐大が代表を務めるドリームシーカーの一員としても活躍。国内外を問わず、選手と自転車を見つめてきた目で女子5選手を分析する。

リラックスムードで18年初戦を迎えたステファニー・モートン(撮影・野島成浩)
リラックスムードで18年初戦を迎えたステファニー・モートン(撮影・野島成浩)

 まず昨年4場所全てVのモートンから。「一番強い。パワーがすごくてサドルに深く腰掛けて乗る。長くもがく乗り方をしていて、強い風が吹いても平気だ。200メートルの上がり最高は10秒7で、力を出し切れば負けない」と太鼓判を押した。

 ハンセンは4月23日の会見で積極的な仕掛けを約束した。「ハンセンは、今年はいいサドルを見つけたみたい。普段の大会で使うサドルがガールズでは使えないから、部品探しがひと苦労になる。それが済んだから、いいスピードを見せるはずだ」。初戦の西武園で白星発進と好スタート。昨年4場所で3勝以上の活躍を見せそう。

 ファンリーセンは「強いというより、うまい。しっかりと組み立てるから、簡単には負けないと思う」とレース巧者のイメージを話した。

 世界選ケイリンを制したデグレンデルは、意外にも評価が高くない。「あのケイリンは、先行して展開が向いたんだ。前に日本に来たクリスティナ・フォーゲルとか強い選手が、後ろの方で見合っていた。それで、すいすいと押し切れたんだ。前にいると流れが良くなる見本みたい」。デグレンデルがこの辛口コメントを聞いたら、さぞかし発奮しそうだ。

フランスの注目株マチルド・グロ(撮影・野島成浩)
フランスの注目株マチルド・グロ(撮影・野島成浩)

 対照的に、グロの評価は高い。グロは初戦の立川で決勝進出できなかった。2日目のレース後に「ずっと施設にいて何が大変かって? 外に出たり、外部に電話できないとかは気にならない。戦略を教えてくれるコーチがいないこと」と口をとがらせた。鬼原氏は気落ちするグロに「力を出し切れていないだけ」となぐさめた後で、「18歳以下のジュニア大会で、何回も優勝している。練習では、5倍ギアを使いこなす。何て言ってもフランスで注目の1人。6年後のパリ五輪でエースになる人材だから。必ず、いい走りができる」と予言した。分析どおりにグロが力強さを見せるか? ガールズケイリンの見どころが増えた。【野島成浩】

短期登録ガールズ選手に帯同して各競輪場を巡る鬼原積氏。立川2日目にレース前のマチルド・グロとセッティングの確認をする(撮影・野島成浩)
短期登録ガールズ選手に帯同して各競輪場を巡る鬼原積氏。立川2日目にレース前のマチルド・グロとセッティングの確認をする(撮影・野島成浩)