競輪、楽しんでいますか?
いよいよ、来月2日からG1日本選手権競輪(ダービー)が平塚競輪場で幕を開ける。
勝てば「ダービー王」としてその名が歴史に刻まれ、末永くファンの記憶に残るのだから、他のG1と比べても重みが違う。約2500人いる選手の中で、上位のわずか162人しか出られないという、選手なら1度は走ってみたい晴れの舞台だ。
24日から行われている取手F1にも、次走がダービーという選手が多かった。中でも、初出場や久々の出場という選手が何人かいて、それぞれ普段とは明らかに目の輝きが違っていた。
佐藤壮はデビュー14年目での初出場。当初は補欠2番手だったが、他選手の欠場で繰り上がったという事情もあり「ビッグレース自体ももちろん初めてだし、今は楽しみしかない。(同県の先輩の武井)大介さんから譲り受けたフレームを試しているところです」と終始、笑みが絶えなかった。
これを上回る15年目の福島武士も「今はそこ(ダービー)に向けてやっているところ」と、ベテランらしからぬ初々しい表情が印象的。さらに、極度の腰痛に苦しみ、一時期はチャレンジ降格のピンチにも立たされた14年目の山口翼も、A級で賞金を稼ぎつつ昨年8月の宇都宮でS級特昇を決め、自身初となるビッグレースの切符を手にした。「去年、仲間から“特昇すればダービーに出られるぞ”と言われて、その気になったら、出られていました」と感慨深げだった。
逆に、同じ初出走組でもデビューして間もない新鋭・吉田有希や阿部将大などは、次走がダービーという気負いのようなものは全く感じられなかった。これはこれで、無限の未来がある若者の特権だろう。
一方、「9年ぶりのダービーだよ」と笑うのは、27年目の大ベテラン佐藤真一だ。「去年はとにかく数を走ったからね。12月なんて中ゼロ日も含めて、5節走ったよ」と言う。追加あっせんや補充出走もでき得る限り受け、1走でも多く、1円でも多く稼いで、大舞台に返り咲いた。まさに執念だ。
他にも、12年ダービー以来、11年ぶりのビッグレース出場となるベテラン西田雅志、ダービー決勝進出の実績を持つ父龍也氏や2人の弟の期待を背に地元戦に臨む佐々木龍(初出場)など、取手の検車場はどこか祭の前の高揚感が漂っているようだった。
優勝を争うのは、脇本雄太らS級S班を中心としたトップ選手であることは疑いの余地がない。ただ、どんなに確率は低くても、現時点では162人全員に「ダービー王」になる資格はある。
さあ、輪界最高峰の戦いを楽しもう。【栗田文人】




























