今回の豊橋G3は、勝利者インタビュアーをモトシブ(元支部長)の一丸安貴と、イマシブ(現支部長)の山田圭二が務めている。選手の素顔を届けることが狙いだ。

しかし、地元の吉田敏洋は「2人に囲まれてやりづらかったっす」とこぼした。1予10Rを制した吉田を「泣くなよ」と出迎えながら「オレがやめて寂しいだろ?」と言った一丸自身が泣きそうになる始末。それでも「(山口)幸二さんの仕事は全部、奪いますから」と鼻息は荒かった。神様、どうかヤスに天罰を与えてください。


ヤマコウは2予9Rの野口裕史に注目
ヤマコウは2予9Rの野口裕史に注目

初日はとにかく寒かった。その上、風が強いので、前受けして足をためて、まくり追い込みを狙う選手が多かった。

しかし、野口裕史は違った。前受けから突っ張り先行で2着。逃げた選手が風に苦しめられる中、臆することなく主導権を握った。野口の強さは自分の信念を貫くところだ。かつて村上義弘が「相手が根負けするまで先行争いをした」ことをほうふつさせた。

レース前、両手足をついてチーターのように歩くしぐさで、体の連動性を高めていた。上半身と下半身を連動させることは非常に大切で、これがつながっていないと脚力の消耗が早い。

コマがきれいに回るのは軸がしっかりしているから。乱れるとバランスを崩して止まる。野口はそれを意識して自転車に取り組んでいる。アップ中に「肩甲骨の動かし方が少し分かった」(野口)ことが、1予のレースにつながった。

2予9Rは先行すれば守沢太志が後続を止めるので、心強い仲間を得たことも追い風になる。(日刊スポーツ評論家)