7月の高知G2サマーナイトフェスティバルは、初日1R1番車で走った市田龍生都の脚力が光った。開幕レースは細かなバンクのコンディションが分からない。後の選手たちも「先行でも残れる」とか「まくりは風の影響を受けて決まりづらい」など、そのレースを見ながら判断する。何の情報もない中で、突っ張って逃げ切ったことに価値があった。
市田のレースは感情の起伏が見えやすいので、何を考えているのかが伝わってくる。力を出したい自分と「まだ距離が長いかな…」と思う不安。その葛藤がそれまでのレースにはよく表れていた。
しかし、変化を感じたのは6月小倉F1のワールドシリーズ準決だった。逃げてリチャードソンをまくらせず1着。ここで何かをつかんだかのように見えた。続く前橋G3準決でも、脇本雄太を背負って2周先行して5着。脇本は絡まれると厳しいだけに、懸命なレース運びだった。
若手の先行選手が強くなる過程で、まず壁になるのが「格上の先輩選手が付いた時の走り方」だ。極端な話、自身も残らない先行なら誰でもできる。4角まで勝負できる先行が、自身の成長につながる。その意味で、高知での市田の活躍は必然だったのかもしれない。レース内容も、同じ先行でも、過去の逃げとは全く内容が違った。
1予7Rはダッシュで勝る選手はいるが、航続距離で市田にかなう選手はいない。まずはお手並み拝見といこう。(日刊スポーツ評論家)























