グランドスラマーの浦田信輔(41=飯塚)が遠州決戦を制し、2年連続8回目のSG優勝を飾った。オールスター優勝は9年ぶり3回目。浜松巧者の実力者が素早い仕掛けで優勝をもぎ取った。スタートで逃げた青山は2着、1周3角で一端先頭に立った永井は3着に入った。

 青山が1枠から突っ張って1周1角を先頭で進入した。その外から一気にカマして永井が襲いかかる。浦田は4番手スタート。1周3角で永井が青山を抜いて先頭に立つ。浦田は3番手に進出して前の2車を追う。2周3角でレースが大きく動いた。永井が外の青山をけん制している一瞬の隙を突き、浦田が鋭くインに切り込んで2車抜きを敢行した。「タイヤに負担がかかって滑り出す前に、早めに勝負をかけた。ごめんなさい、という感じで。ここで行くしかないと思った」。見事に仕掛けが決まって先頭を奪った。青山は浦田の背後にぴたりとついて追走する。

 中盤から3番手の永井が離れ出し、浦田と青山のマッチレースとなった。「(青山)周平が外に見えていた。内に入られたら仕方がない。滑らせないように、コースを外さないように走った」。青山は仕掛けるまでには至らず、1車身間隔で周回が過ぎていった。バトルは最終周まで続いた。「後半滑り出したけど、周平も滑っているだろうから落ち着いて対処すれば抜かれることはないと思った」。最後まで2車の態勢は変わらなかった。浦田は当地のゴールデンレースで前人未到の同一G1・4連覇を達成している。得意の走路で抜かせないテクニックを見せつけた。【海老原実】

 ◆浦田信輔(うらた・しんすけ)1973年(昭48)7月31日、福岡県生まれ。飯塚所属の23期生。全国ランク7位。11年に史上3人目のSGグランドスラムを達成した。SG優勝は全日本選抜(00、14年)、オートレースGP、日本選手権(01年)、オールスター(04、06年)、SS王座決定戦(11年)。通算優勝106回。1着1126回。趣味はゴルフ。167センチ、58キロ。血液型AB。