第29代やまとチャンプは小池修平(20=大阪)。第117期卒業記念競走は18日、福岡県柳川市のやまと学校で関係者約300人を集めて行われた。リーグ戦の事故率オーバーを除く、勝率上位6選手で争われたやまとチャンプ決定戦は、勝率5位の小池が4カドから豪快にまくって快勝。2着には中村泰平(19=愛知)、3着は上田龍星(20=大阪)。大阪出身のチャンプは107期の佐藤裕紀以来。卒業した29人(男子22人、女子7人)は、11月1日の蒲郡を皮切りに全国のレース場でデビューする。

 ビッグマウスの小池修平が、ゴール後に泣きじゃくった。17日の記者インタビューでは「タッチスタートで優勝を狙います。01以上なら選手を辞めます」とまで豪語。同期も認める軽口で存在感をアピールした。

 しかし、レースは冷静沈着。「スタート展示は全速でコンマ10」だったが、慎重を期すために起こす位置を遅らせ、コンマ24の全速で仕掛けた。まくりが決まった1周目は「えっ」と驚いたが、2周目には「後ろの5艇が続いてきているか確認」。そして3周目は「この1年で一番長かった」。優勝を楽しむ余裕はなかったが、全員無事故ゴールに涙があふれた。

 身長172センチ、体重は54キロと選手としては大柄。「卒業レースは50キロを目標にしていたけど、前日はご飯を3杯おかわりしました」と、ちゃめっけたっぷりに笑うほど神経もずぶとい。116期の立具敬司(大阪)がチャンプ決定戦の1号艇で敗れ、「お前がチャンプになれ!」と受けた激励に、有言実行で応えた。

 兄・哲也(26=113期)の後を追って選手になったが「意識してません。それより同期全員でSGを走りたい」。結束の堅い117期はビッグマウスを中心に暴れ回る。【山崎千郷】

 ◆小池修平(こいけ・しゅうへい)1995年(平7)6月4日、大阪府羽曳野市出身。千葉経済大学付属高校を卒業後、やまと学校を2回目の受験で合格。からつボートで行われたリーグ戦第6戦で優勝。勝率6・82は5位。好きな言葉は感謝。目標はSGを全部取ること。目標とする選手は田中信一郎。11月7日の住之江でデビューする。172センチ、54キロ。