スーパールーキー松井宏佑(26=神奈川)にとって、初めての地元G3決勝戦は、ほろ苦い思い出となった。

南関ラインは松井を先頭に5車で結束したが、終始、S級S班の清水裕友の動きに翻弄(ほんろう)され、連結はことごとく分断されていった。

漁夫の利を得た近畿コンビのワンツーが決まると、松井は号泣しながら敢闘門に引き揚げてきた。

控室に入っても、しばらくおえつで言葉にならない。ラインの先輩たちが松井を囲み「残り2周半で突っ張る準備が出来ていなかった」「出られても、すぐに残り2周で行くべきだった」などと、レースの反省点を優しく諭し、少しずつ落ち着きを取り戻した。

ようやく涙を拭いて控室を出ると、「5車も並んでもらったのに、誰も優勝させられなかった。申し訳ないし、悔しい」と語るのが精いっぱいだった。