MF福田晃斗(29)が暗い雰囲気を一変させた。前半だけで今季ワーストの3失点を喫した3日のアウェー・ジュビロ磐田戦(2●3)。昨年11月8日のギラヴァンツ北九州戦以来、237日ぶりにピッチに立つと、チームは息を吹き返した。後半27分の途中出場からわずか4分間で10度もボールにかかわり「各駅停車」のようだったアルビレックス新潟のパス回しは一気にスピード感を増した。

左膝に全治8カ月の大けがを負ったボランチが復帰初戦でいきなり見せた。後半28分、MF星のパスを受けると相手のマークを巧みに外して右に展開。「練習試合もなく、多少の不安はあったが、ファーストプレーでしっかり相手をかわせたことで、すんなりとゲームに入れた」。すぐに動きなおして再びパスを受けると、今度は左に展開して攻撃にリズムを生み出した。

その1分後には、こぼれ球に誰よりも速く反応してボールをつなぐと、今度は相手3人のマークをかいくぐってMF高木にパス。その直後の31分、鋭い縦パスでMFロメロ・フランクのPK獲得を「アシスト」してみせた(得点は34分)。

昨季、福田の先発試合は8勝6分け3敗とまずまずの成績だったが、負傷離脱後にチームは1勝2分け7敗と大失速。今季は序盤の首位快走から一転、J1昇格を争う磐田に敗れ、4位に転落して前半戦を終えたが、昨季チームの中心だった福田の復帰は光明。シーズンはまだ半分残っている。【石川秀和】

磐田戦の前日練習で笑顔を見せた福田(右)
磐田戦の前日練習で笑顔を見せた福田(右)