日本が2大会ぶりのベスト4進出を果たした。元日本代表FWで日刊スポーツ評論家の永島昭浩氏(57)は、ニュージーランド戦を前に「勝てる保証はない」と断言していた通り、厳しい展開になった。最後まで日本らしいテンポを取り戻せなかったことが、苦戦の要因だと指摘した。
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120分の激闘の末、PK戦勝利は、日本にとってしびれる結果になった。GK谷の集中力と堂々としたプレーは、勝利を呼び込むのにふさわしかった。
日本が苦戦した原因は2つある。1つ目は後方からのロングボールを前線で競ってもセカンドボールを拾われたこと。2つ目は、日本ボールのスローインも相手に常に数的優位で奪われる場面が目立ったこと。本来は試合中に修正すべき部分ができていなかった。
しかも相手は高さがあり、足元もしっかりしていた。ペナルティーエリア付近で日本がボールを保持していたが、持たされているという感じだった。サイドからドリブルなど個人技に頼ったが打開できず、相手はサイドからテンポよくクロスを徹底して入れてきた。日本のリズムの悪さは、自国開催の重圧があったのかもしれない。
この反省を生かし、最大のヤマ場であるスペイン戦に向かってほしい。仲間を信頼し、持ち前の連係で相手の嫌がるスペースを突いていけばいい。それがこの試合になかった、日本のリズムにつながる。(日刊スポーツ評論家)