ロナウド伝説は終わっていなかった。
41歳のクリスティアノ・ロナウドがW杯史上初となる6大会連続のゴールを記録した。しかも2得点。どちらも「オープンプレー(流れの中からのプレー)」から。不要論を吹き飛ばすものとなった。
初戦のコンゴ戦ではチャンスをつぶして無得点。フル出場させたマルティネス監督は批判された。優れた選手をそろえるポルトガルの「足かせ」になっているとも。主要国際大会では約5年もオープンプレーからの得点がないという事実もあった。41歳にもなれば厳しいのは当然か。しかしロナウドはロナウドだった。
2008年12月、クラブW杯にロナウドのいるマンチェスター・ユナイテッドが欧州王者として来日した。率いていたのは「赤鬼」とも呼ばれたファーガソン監督だった。
ロナウドは23歳、飛ぶ鳥落とす勢いで世界のスターダムにのし上がっていた。決勝前日の会見でファーガソン監督に質問した。
「ロナウドは将来、ペレやマラドーナと肩を並べるようなレジェンドになれると思いますか?」
スポーツ新聞業界では「はめにいく」と言う。意図的に発言を引き出し、見出しの立つ記事をつくること。世界的な名将にロナウド伝説を語らせたかった。赤鬼はおもむろにこちらに視線を向け、語り出した。
「クリスティアノは高い得点力、エリアで仕掛けるタイミング、両足のテクニック、絶対的な空中戦の強さ。彼が攻撃の起点となり、チームに大きな影響を与える」。そして「レジェンド(伝説)」というフレーズを含めてこう口にした。
「ペレやマラドーナのようになるかは、28歳か29歳になった時に分かるだろう。多くの要素から考えれば、彼もまた伝説となる可能性は高い」
ロナウド伝説、日本から始まる-。そう書いた。
その後については説明不要だろう。ただ言えることは、この年齢まで現役を続けているとは思わなかったということ。アルコールは一切口にせず、節制と厳しいトレーニングで肉体を追い込み続けている。その努力こそが超人だと思う。己の生きる道を貫いている。
ペレやマラドーナに肩を並べられたのか? さまざまな意見はあろうが、ロナウドはまだ届いていない。それはなぜか?
W杯優勝だ。ポルトガルが史上9カ国目のタイトルを手にした時、ロナウド伝説は完結する。その可能性は十分あると見ている。【佐藤隆志】



