ハリルホジッチ監督がW杯の出場権獲得を託すメンバーが決まった。

 予選で最多の27人、FWは異例の9人を招集した。大迫や本田は故障の影響が心配され、この大所帯は事前の計算が立たない不安の裏返しでもある。監督は「今までで一番、リストをつくるのが難しい状況だった」と吐露した。

 オーストラリアが出場したコンフェデレーションズカップを視察するなどつぶさに敵情を分析してきた指揮官は、相手が体格の優位を生かしたサッカーを仕掛けてくるとみる。そこに負けない個々のコンディションが前提となるが、けが人が相次いだ主力の状態は、香川らを含め実際に呼び寄せて正確な判断を下す必要がある。

 昨年10月のアウェー戦では守備に重心を置きつつ、本田をトップ中央に配置する戦術で引き分けた。だが、今回はW杯を懸けて勝利こそが求められるホーム戦だ。監督も「より意欲的に、より攻撃的に行く。相手より多くのゴールを決めなければならない」と話した。

 大迫や香川らを起用できない事態は十分に想定される。その時に前線を、どう組み合わせ、どう攻め崩すのか。監督の力量、選手層など日本の総力が問われる大一番だ。