女子アジア杯で連覇を達成し、来年6月のW杯フランス大会の出場権を獲得したなでしこジャパンが22日、開催国のヨルダンから帰国した。成田空港では約200人のファンがなでしこたちを出迎え、祝福の声を送った。

 空港で開かれた会見で、高倉麻子監督(50)は優勝カップを両手で大切そうに持って現れ、ほっとした表情を浮かべた。12月の東アジアE-1選手権は3位、3月閉幕のアルガルベ杯では6位と、16年4月から始まった高倉体制では苦しい戦いが続いていた。若手とベテランの融合も進まず、不安視されて迎えたアジア杯だっただけに、指揮官は「気が抜けない試合が続いていましたので、早く終わらないかなあ、と思ってました」と本音をこぼした。

 オーストラリアとの決勝では押し込まれる展開が続く中、FW横山の値千金のゴールで逃げ切った。優勝したものの、大黒柱のMF阪口夢は「このままではW杯では勝てない。もっともっと個を伸ばさないと」と厳しい口調で、喜びの余韻が漂う会見で容赦なく課題を指摘した。

 1年後のW杯、2年後の東京オリンピックとビッグイベントが続く。高倉監督は「決勝では、なでしこらしい試合はできなかった。主導権を取りながら粘り強い戦いをW杯でお見せしたい。まだ道の途中です」と語り、危機感が明確になる凱旋(がいせん)帰国となった。