森保監督が着手した世代交代の遅れ/ニッカン・アイ

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<担当記者がサッカーを掘り下げる>

森保兼任監督が、初の8強を目指す4年後のワールドカップ(W杯)カタール大会へ白星発進しました。担当記者が独自の視点で分析する「Nikkan eye」では、コスタリカ戦で躍動したリオ・オリンピック(五輪)世代の現状と、期待される世代交代の課題解消に迫ります。

新鮮というより、懐かしかった。コスタリカに3-0で勝った森保ジャパン初陣。4-4-2陣形が縦パスをスイッチに連動し、南野が1得点。中島も2点に絡んだ。主観だが、担当していたリオ五輪代表のようだった。ボランチ遠藤も秀逸で、手倉森ジャパンの国内初戦(15年7月)を思い出した。くしくも同じコスタリカ相手に、遠藤の縦パス成功率は90%超。この試合を軸に1年後を目指し、五輪本大会では日本史上最多の3戦7得点を奪った。

時はたち、今回出場したリオ世代は17人中9人。森保監督が代名詞の3バックに固執せず、リオ世代をはじめ日本が慣れ親しむ4バックを初戦で用いたところに、懐の深さを感じた。自分の色を出す前に、選手の能力を引き出す。3-4-2-1だったら南野と中島と堂安の共存もなかった。

森保監督なら世代交代の遅れを取り戻せるはずだ。W杯ロシア大会は、実力ある北京世代と脂が乗ったロンドン世代で16強。一方で代償として93年以降に生まれたリオ世代は1人も出番がなかった。出場32カ国で日本だけだった。その点、森保監督が初陣でリオ世代9人を起用し、結果が出たことは明るい材料。過去に決勝トーナメントまで進んだW杯には、6年前の五輪世代から多くの選手が選ばれてきた。96年五輪→02年W杯は7人、04年→10年は10人、12年→18年は10人。16年リオ世代が22年にカタールの主役になる、健全な流れに森保監督は針を戻さなければならない。代表は競争の場だが、台頭させるチャンスも必要。10月以降もリオ世代を見てみたい。

同時に、下の東京五輪世代からも引き上げなければならない。今回は堂安がデビュー。森保監督は12日、初の兼任となった1カ月を振り返り「メリットの方が大きい」と言った。前回兼任のトルシエ監督は02年W杯に直前の00年五輪から13人(代表7人、世代6人)を昇格させている。10年W杯には08年五輪の本田、岡崎、長友らが出場し、ベスト16に進んでいる。対してリオはゼロ。この不遇を東京世代に味わわせてはいけない。リオ世代にも、東京世代にもカタール切符をつかませるという、難しい作業だが、初戦から若手の能力を引き出した森保監督なら-。期待が膨らむコスタリカ戦だった。【木下淳】

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  • 日本のリオ五輪基本布陣(太字は11日のコスタリカ戦出場)
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