リオデジャネイロ五輪出場を決め、U-23(23歳以下)アジア選手権(カタール)を制した同日本代表の手倉森誠監督(48)が1日、東京・JFAハウスで取材に応じ、世界に打って出るため3つの取り組みについて語った。休む間もなく4日からはJクラブの宮崎キャンプを視察。アジアの頂点に立った指揮官の目は、世界に向けられている。

 凱旋(がいせん)帰国から約半日。疲れもみせず、アジアの頂点に立った手倉森監督が日本協会に優勝報告した。大仁会長以下、ほぼ全職員の前にカップを手に登場。柄にもなく? 緊張したというが「日本サッカーのために仕事をしているみなさんと仲間になれた」と気の利いたあいさつで大きな拍手を受けたという。余韻に浸っている間がないことは誰より分かっている。世界に打って出ることになるリオ五輪。この日は3つのプランを明かした。

 (1)海外との手合わせ 「世界はイメージだけでは戦えない。肌を合わせないと分からない。国際試合優先でやれればと」。3月の海外遠征は「なるべく(五輪)出場国をというオーダーは出している」。間合いやスピードなど、選手の感覚を対戦することでアジアから世界基準に調整する。

 (2)競争再開 4日から宮崎キャンプを視察する。6日間で最大7試合を回る予定。「選手たちを借りていたクラブへのあいさつ回り。(最終予選メンバーから)外れた選手にシカトされるのか、あいさつに来るのかも見ないと」と、ジョーク交じりに目利きの「テグ・チェック」を再開する。

 (3)王者の自覚で急成長を 「優勝したことで自覚が出てくるはず」。王者の称号が成長著しいこの世代を必ず刺激すると指摘。例えば、スーパーサブ起用の多かった「ジャガー」ことFW浅野の先発起用にも「広島で頭から出られるようにならないといけない」と注文を出し、刺激した。

 フランスで休暇中の日本代表ハリルホジッチ監督からも「おめでとう」メールが届いたという。返事は? と問われると「We are Champion」とニヤリ笑った。【八反誠】