ブラインドサッカー日本代表の「秘策」はカラーボールだ!! 視覚障害者らによる5人制サッカー(ブラインドサッカー)日本代表の強化合宿が11日、千葉市で行われ、カラーボールトレーニングを初導入した。

 2対2のミニゲームでGK以外の選手は両手にカラーボールを持ってプレーした。シュートを放つ際、ボールを落とす選手もいた。高田敏志監督(49)は「ボールを蹴る際に力む選手が多い。足の関節を柔らかくして緩めるための策です。感覚を養うために試して、効果があったのか良いシュートも何本かありました」と満足げに語った。視覚障害者は聴覚などが優れているとされ感覚を大切にする。

 日本代表は15年アジア選手権で4位に終わり、パラリンピック初出場を逃した。当時GKコーチだった高田監督が15年11月に監督に就任し、強化体制を一新。技術、メンタル、フィジカルなどの健常者の知見を取り入れたサッカーを目指している。外国人選手に比べ体格で劣る日本選手にルーズボールへのプレッシャーや空間認知力を高めて「相手の脅威になれ」と繰り返す。

 3月20日にはさいたま市でパラリンピック4連覇中の王者ブラジルと親善試合を行う。今秋には世界選手権予選を兼ねたアジア選手権(会場、日時未定)を控えている。アジアにはリオデジャネイロ・パラリンピック銀メダルのイラン、4位の中国と強豪がそろう。高田監督は「ブラジルは次元が違う。簡単な相手ではないがゴールは取りたい。(リオ大会の結果も受けて)アジア選手権は優勝すれば、20年東京大会でのメダル獲得につながる」と言う。

 主将川村怜は「今は課題である戦術の精度を高めることが重要。僕を中心に『戦う集団』にならないといけない。最終目標はブラジルを倒すこと」。日系3世の佐々木ロベルト泉は「ブラジルの選手と会えることはうれしいけど試合となれば別。150%の力を出して勝つことしか考えていない」と意気込む。

 ブラジル戦のメンバーは14日に発表予定。東京大会で悲願のメダル獲得を目指す高田ジャパンにとって、格好の腕試しとなりそうだ。