元なでしこジャパンで11年カナダW杯で優勝の原動力になった澤穂希さん(38)が4日、都内で行われたイベントに出席した。

 今年9月に米国で行われるU-12(12歳以下)の国際大会「ダノンネーションズ杯」のイベントで、同大会は今回から女子大会を導入することを発表。

 澤さんはスペシャルゲストとして出席し、「女子の世界大会がほとんどない中で、素晴らしい大会だと思います。底上げにもなるし、小さいときの経験はステップアップに必要。意味があります」と話した。

 澤さんは15歳で日本代表に選出された。海外のハイレベルな選手とプレーしたことでW杯が目標になるなど、当時の経験は年を重ねてからも役に立ったという。「緊張もあると思うし、海外でプレーを人に見てもらうことも今後につながる。試合の流れや勝ち方もわかってくる」と、早いうちから海外経験を積むことのメリットを口にした。

 幼少期は男子に交じってプレーしていたという澤さん。「男の子の中で(女の子が)1人いるかいなかという時代だった。今は女子のチームがある。すごいことです」と、女子サッカーの裾野の広まりに目を細めていた。一方で「中学になかなかチームがない。吸収できる3年間だから、そこでチームが少ないのが課題」と、現状にも言及した。

 自身が幼少期だったころの練習は、常に同じことの繰り返しだったという。「パス、トラップ1つでもこだわっていた。できなかったことは翌日にでも、納得するまでやっていた。練習でできないことは試合でもできないので」と、自らに厳しく接していたことを明かした。女子サッカーの人気を大きく向上させることに貢献したパイオニアは「なでしこジャパンに入れば世界でも優勝できるという目標ができたことがうれしい。ずっと憧れの場所であってほしいですね」と、次世代のなでしこたちへの期待を口にした。