JFLのホンダFCが、3年連続38度目の天皇杯出場を決めた。1-0でJ3アスルクラロ沼津を退けた。沼津に攻め込まれる中で、後半43分、最年長のFW古橋達弥(37)が、決勝ゴールを決めた。天皇杯1回戦は今月26日に紀三井寺運動公園陸上競技場(和歌山)で行われ、関西リーグ1部のアルテリーヴォ和歌山と対する。

 途中出場のベテラン古橋が、ヒーローになった。後半43分。MF大町将梧(26)の右クロスをニアで受けると、迷わず右足を振り抜いた。GKが反応できない高速弾。ボールは頭上を抜いて、ゴールネットを揺らした。「ミートすることを意識しました。少ないチャンスをものにしないと勝てないと思っていました」。

 C大阪、山形、湘南でプレーし、J1通算28得点。実績十分の37歳は、今季公式戦初ゴールでチームの3年連続天皇杯出場を決め、言葉に力を込めた。「ホンダの名前をみんなに知ってもらえるチャンス。会社にもプラスになります」。

 今季JFL、J3の首位対決を制した井幡博康監督(43)は、冷静に言った。「慌てることなくゲームができました。(古橋のような)アクセントになる選手をベンチに置けるのは大きいです」。

 準決勝の藤枝MYFC戦に続き、2戦続けてJ3クラブを撃破した。天皇杯では、2007年にJ1柏、名古屋を破って8強入り。16年も16強入りを果たした。17年は磐田に2回戦でPK負けも、出場のたびに、「番狂わせ」を期待されるアマ最強チームになった。だが、指揮官は満足はしていない。「プロ、アマ関係なく、静岡は1番でないといけません。それだけの看板を背負っていますから、優勝を狙います」。

 1回戦に勝てば、2回戦でJ1鹿島と対する。J1レベルを体験してきた古橋は「まずは初戦に勝つだけです」と話すにとどめたが、トーナメントで一戦必勝の思いは同じ。県勢では、03年のJ1磐田以来15年ぶり頂点を本気で目指す決意だ。【古地真隆】