ヴァンフォーレ甲府FW金園英学(30)が、東京ヴェルディ戦の後半26分に途中出場し、1分後の同27分、ワンツーでジュニオール・バホス(25)の決勝弾をアシストした。

後半27分、金園はペナルティーアーク中央付近でバホスからのパスを受けると、すかさず右足でペナルティーエリア右に折り返した。「その状況で1番、良い判断が出来れば。パスはパスで、結果になったので良かった」と振り返った。

ジュビロ磐田時代の12年に日本代表入りし、J1北海道コンサドーレ札幌から期限付き移籍した今季も、チーム2位の6ゴールを決めているストライカーだけに、自らシュートを打ちに行くという選択もあった。「シュートはプライオリティーが高くなるんですけど」と語る一方で「バホスのパスが、すごかった。僕は簡単っす」とパスを選択した裏には、金園=ストライカーという自らの立ち位置を生かした狙いがあった。

金園 僕のキャラ的な部分を利用したというか…。シュートかな、というのは多分(DFの)頭にあったと思う。

計算したのか? と聞かれると「そんな、ええもんじゃないです。シンプルに、シンプルに…ですよ」と謙虚に答え、照れ笑いを浮かべた。「ほんま攻めたかったんですけど、あんまり前に比重を置いたら、中盤がポッカリ空いて、セカンドボールを拾われる。みんな、結構バテていたからセカンドのところに入った」。FWとしてのエゴを捨て、チームプレーに徹した金園が、「得点者」という個人の記録には残らない代わりに、それ以上に大きい“甲府の勝利”を決める、大仕事をやってのけた。【村上幸将】