佐藤勇人の引退決め手「なにか変化が必要だと」会見

今季限りで現役引退を表明したJ2ジェフユナイテッド千葉の元日本代表MF佐藤勇人(37)が16日、千葉市内のクラブハウスで引退会見を行った。

佐藤はジュニアユース時代から同クラブでプレーした生え抜き。00年にトップ昇格を果たした。08年シーズンからの2年間を京都でプレーした以外は現役をすべて千葉にささげた。

引退の決断については、シーズン半分が終わったときのクラブの順位で決めたと明かした。ホームで行われた町田戦の翌日には妻と寿人、クラブ幹部にも意向を伝えたという。「成績がよくなくて、なにか変化が必要だと思っていた。試合にでたら誰よりも走れている。毎日の練習でも誰より走って誰より戦えてる。その状態で引退するという意味を、残った選手に感じてほしかった」と、6試合を残した段階で発表した理由を語った。

イビチャ・オシム監督時代に指導を受けた「オシム・チルドレン」の1人。ほめられたことは1度もなかったが、のちにオシム監督の本の中で自分に言及しているのを読んだ。「『佐藤勇人はチームのために死ぬ覚悟を持っていた』と。それを見たときに、“走る”ことの重要性を教えてくれた人が評価してくれたことがすごくうれしかった。まだ走りたいなと思って、今に至るんですが。ピッチの上では走れなくなるかもしれないけど、クラブのためには走れると思うし、そこは誰より走りたい」。信条でありトレードマークだった“走る”はピッチを超えて、自身の生きざまになっていた。

今後もクラブに関わっていく方向だという。監督になるつもりはないと明言した。「本音を言えば、このクラブを昇格させてユニホームを脱ぎたかった。プロ生活20年は今は後悔しかない」。現役時代には、ジェフに発展をもたらせなかった。だからこそ、ジェフのために今後も身を粉にする覚悟だという。「自分の背中を見てアカデミーの子どもたちが将来のジェフのために『俺らがトップを強くしてやるんだ』という思いを少しでも持ってくれたら。1人でも多く昇格できる選手が出てきたときに、自分のサッカーキャリアは後悔から喜びに変わるかもしれません」。そう話し、育成にも積極的に関わりたい意向を示した。

会見の最後には花束の贈呈も行われ、今季から千葉でチームメートとして戦った双子の弟・寿人がサプライズで登場。最後にはさらにチームメートやスタッフからも花束を渡され、笑顔で会見を終えた。