ヴィッセル神戸の立花陽三社長(49)は24日、オンラインで記者会見を開き、元日本代表MFで強化責任者の三浦淳寛スポーツダイレクター(SD=46)が新監督に就任する異例の人事を発表した。三浦新監督は25日に取材対応を行い、26日の北海道コンサドーレ札幌戦(ノエスタ)で初指揮を執る。同社長の会見での主な一問一答は次の通り。

-21日にフィンク監督が辞意を申し出た。三浦氏の就任までの経緯は

立花社長 21日に監督から正式に退任の話があり、その後に全員で夜からミーティングをして、この2日間は(アシスタントコーチの)マルコス・ビベス氏に代行をお願いし、並行して元々リストアップした中で三浦監督が一番適任だと決断した。まずは18年からSDとして(神戸に)来ていただき、三浦さんを中心にポゼッションサッカーをやろうとスタートした。今のサッカーを継続できる方。元々リストアップしていたが、シーズン途中の交代でチームの特性を知っている三浦さんにお願いをした。すぐに承諾してもらったわけではなく、SDでありながら(三浦氏本人は監督就任について)かなりの葛藤があった。昨日(23日サガン鳥栖戦)の試合後に正式に答えをいただいた。

-リストアップとは

立花社長 正直(クラブとして)常にしている。いかなる場合も、選手を含めてSDの仕事は監督を決めること。その中でシーズン中でもあり、急だったことでできる限り意思疎通をとった。

-具体的な経過は

立花社長 21日にリストアップの話をして、22日のフィンク監督退任の発表前後で三浦さんに監督の打診をさせてもらった。正式にサインしたのは23日の試合後だった。

-契約年数など条件は

立花社長 申し上げることはできないが、ただ三浦さんは(神戸のことを)よく知っているし、18年から新しいスタイルで勝とうと(バルセロナ化などの目標を)取り入れた張本人。このスタイルを継続して、常勝軍団を作ってほしいと監督を依頼した。

-三浦氏は指導経験はなかった

立花社長 今回初めての監督になり、ある意味新しいチャレンジになる。どの監督も1度は新人監督の時がある。既存にとらわれない自分のスタイルを確立してほしい。ビベス・コーチも支え、アレックスGKコーチら優秀な人材もサポートする。三浦さんらしいサッカーを表現してほしい。

-外国人監督を呼ぶ場合、新型コロナウイルスの影響はあったのか

立花社長 正直、ございません。本当に18年から新しいサッカーのスタイルを神戸に取り入れた。今でも覚えているが、FC東京と試合して厳しい負け方(大敗)をした。三浦さんに「こんな難しいサッカーは大丈夫か」と聞いたが、少しずつ強くしてきた立役者。その形をフィンク監督退任の後だったが、継続性を求めて三浦さんに依頼したので、コロナは関係ありません。

-今後の神戸について

立花社長 本当にここ数年、サポーターに心配をかけて改めておわび申し上げたい。しっかりとした基盤を新監督に作ってもらい、アジアNO・1を取ろうとクラブは運営している。スタイル継続は非常に重要で長くやっていただきたい。