北海道コンサドーレ札幌は湘南ベルマーレを2-1の逆転で下し、5試合ぶり勝ち点3を手にした。

本拠地では7月26日横浜F・マリノス戦(3○1)以来の10試合ぶり白星で、J1ホーム通算50勝を達成した。先制を許したが、ルーキーMF金子拓郎(23)が前半42分に同点、後半10分には勝ち越し弾とプロ初の1試合2得点で勝利に導いた。

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雨がぱらついた秋の厚別。湘南MF金子に先制されれば、札幌のMF金子が反撃の2得点を奪った。4試合連続先発でシャドー(1・5列目)に入って何度も攻めた。後半38分に交代してベンチに下がり、試合後は1点のリードを守り切った仲間を笑顔で迎えて一緒に喜んだ。「自分が点を取って勝てて良かった」と胸を張った。

ホーム勝利とともに金子のゴールも遠ざかっていた。リーグ戦は前回ホーム白星を挙げた横浜戦で自身初得点も、その後は無得点が続いていた。ゴールを欲していた分、嗅覚がさえていた。先制を許した6分後の前半42分。MFルーカスのシュートが相手にクリアされると、そのこぼれ球に反応したDF田中のシュートに「来たらコースを変えようと思った」という。左足を出してそのシュートの軌道を変えてゴールに押し込んだ。狙い通りだった。決勝ゴールは技ありの1発。後半10分、ハーフライン付近からドリブルで持ち込み、「股があいていたので」と、股抜きシュートをゴールに突き刺した。

負けん気は強い。初めてのキャンプ中だった今年2月。午前と午後練習の間の休憩は「寝られるだけ寝ている」。体力は昼寝で回復するのがやっとなくらい、必死に練習に取り組んだ。それでも「ミシャさん(ペトロビッチ監督)のもとでみんなはもう2年やっている。その中に割って入っていかないといけない。その序列を覆す」。ルーキーという立場に甘えない覚悟で臨んでいた。

そんな頼もしい新人は、今季19試合に出場している。指揮官の期待に覚悟と責任感が増す。「若い選手が底上げしていかないとチームは強くならない。素晴らしい先輩がたくさんいるけど、負けないように、どんどん力を出していけたら」。若きレフティーが札幌の攻撃の中核を担っていく。【保坂果那】

▽5試合ぶり勝利を挙げたミハイロ・ペトロビッチ監督(62) 勝ちたいという選手の思いが、気持ちや集中力を切らさずに戦えたのが勝利につながった。節目の50勝、今日達成できたことはうれしい。

◆札幌の節目のJ1ホーム戦勝利 初勝利は98年4月4日G大阪戦でJ1昇格後のホーム2戦目。後半23分にFWバルデスが挙げた先制点を守り切った。10勝はホーム開幕戦となった01年4月7日の東京V戦(2○0)。20勝はJ1通算100戦目となった08年4月12日の磐田戦(2○1)。30勝は17年9月9日の磐田戦(2○1)で、J1では01年以来16年ぶりの連勝を決めた。40勝は18年9月29日鳥栖戦(2○1)で、勝ち点をJ1過去最多の44に伸ばした。