北海道コンサドーレ札幌がホームで逆転勝ちした。1-2の後半14分、相手FW井上が2枚目のイエローカードを受けて退場し、1人多い数的優位となった。同29分、途中出場のFW小柏が相手GKをかわして右足で2点目を奪って追いつき、同ロスタイム5分に決勝の3点目を決めた。2得点の小柏は6月3日リーグ柏戦以来、3カ月ぶりの公式戦ゴールをマークした。ルヴァン杯での得点も、1試複数得点も初。「最後落ち着いて決めることができて良かった」と喜んだ。

ただ、ペトロビッチ監督(65)は逆転勝利にも満足しなかった。会見で「私自身残念だったのは、3-2になり、4点目を奪いに行かなかったこと。下がらず前へ行って欲しかった」と不満を漏らした。1点リードを守り切りたかった選手、第2戦に向けてアドバンテージを広げたかった指揮官で考えの相違があった。会見後、帰り支度を終えた選手たちを集めて急きょ行ったミーティングは約30分になったが、前半27分にゴールを決めたDF岡村は「180分で勝つことが大事。次に切り替えてやる」と振り返った。

ホームとアウェーでの2戦の勝利数で争われる準々決勝。先勝した札幌は第2戦の10日敵地戦(ニッパツ)で準優勝だった19年以来4年ぶりベスト4進出を狙う。ケガ明けで、指揮官は温存も考えたが、2日ガンバ大阪戦から中3日での出場を志願した小柏は、10日も出場へ意欲。「いい準備をして勝ちにいきたい」と決意を語った。

 

◆ルヴァン杯決勝トーナメント 昨年までのアウェーゴールは欧州CLなどと同様に撤廃され、ホーム・アンド・アウェー方式で戦う準々決勝、準決勝は90分間で勝敗が決しない場合は引き分け。各回戦の勝者は2試合の勝利数が多いチームで、同じ場合は<1>2試合の得失点差<2>第2戦終了時に30分間(前後半各15分)の延長戦<3>PK方式の順で決まる。決勝は一発勝負。